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作家・高橋さん講演 紙の本の楽しさ語る (2016/11/07)
 「指の骨」と「朝顔の日」などで、3度にわたり芥川賞候補になった十和田市生まれの作家高橋弘希さんが特別ゲストとして出演し、「高橋弘希の読書術」と題して講演。電子書籍など読書の新しい形が生まれる中、紙の本を買って読む楽しさを自らの経験を踏まえて紹介した。
 高橋さんは紙の本を買うメリットについて、線を引いたり書き込みしたりしやすいと語り、「その場で感じたことをばーっと書き込むことで理解が深まる」と強調した。また、本を持った時の重さや紙をめくる感覚などからも本が心に残りやすく、お金を払って読むことでより本と真剣に向き合えると指摘。「ひいてはその作品を楽しめることにつながる」と持論を語った。
 高度で繊細な描写力と30代半ばの若さながら、想像力で戦争をリアルに描く作品で文壇の注目を浴びた高橋さん。今後について「最近は現代物が続いているが、書きたいという衝動が出ればもう一度(戦時中の作品を)書く可能性もある」と述べた一方、「同じような作品を書いていても面白くないのでどんどん変えていきたい」と意欲を示した。
 十和田にある母親の実家で過ごした赤ん坊の頃、夜泣きがひどく、まじない師から「キツネに取りつかれている」と言われたことや、19歳の時にギャグ漫画を出版社に持ち込んだ逸話など、自身の生い立ちもユーモアたっぷりに披露した。
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