将来的な目標は1200台 民間施設への台数アップが鍵 (2014/11/14)
アンケート結果やAEDの使用実績について分析する今明秀所長(右)と吉村有矢医師=八戸市立市民病院
アンケート結果やAEDの使用実績について分析する今明秀所長(右)と吉村有矢医師=八戸市立市民病院
 デーリー東北新聞社が実施した自動体外式除細動器(AED)に関する事業所アンケートの結果に対し、八戸市立市民病院救命救急センターの今明秀所長は、救命率を上げるために設置台数をさらに増やす必要性を指摘。公共施設への設置については「既に飽和状態に近い」とする一方、「事業所や商業施設への台数アップが効果的だ」との見方を示した。
 今所長は、現時点の調査で判明した計674台のAED設置台数に関し、「将来的には約1200台に増やしたい」と目標を設定。特に、不特定多数が出入りし、使用実績があった場合に社会復帰が期待できる民間企業の事業所や商業施設が倍増すれば、より多くの命を救うことができる―とした。
 地図で見た八戸市内のAEDの配置状況について「例えば、人の集まる中心街にはもっと設置したい」。現在の市内のAEDは、人の住むことができる可住面積1平方キロ当たり1・26台程度である点を挙げ、「1平方`当たり4台ぐらいになれば、救命率は大きく向上するだろう」と述べた。
 さらなる活用策に関しては「民間の施設で使われた場合、自治体の補助制度があってもいいのではないか」と提案した。(岩舘貴俊)
13年、6人が社会復帰 八戸消防本部管内
 八戸消防本部管内で2013年、心肺停止状態の人に対し一般の人がAEDを使用したケースで、6人(いずれも八戸市内)が一命を取り留め社会復帰した。例年の0〜1人を大きく上回る実績で、AEDに関する調査や研究を行う八戸市立市民病院救命救急センターの吉村有矢医師は「6人の社会復帰は全国でもトップクラスだ」と話す。
 13年の同消防本部管内で、心肺停止状態で救急搬送されたのは460件。このうち、医療従事者以外の人がAEDを使ったのは約1割の48件。一般の使用例は10年17件、11年26件、12年25件と増加傾向にある。
 吉村医師は「10年間でAEDは増加し続けてきた。なかなか効果は出ていなかったが、台数の増加やバイスタンダー(救急現場に居合わせた人)の育成が実を結んできた」と分析する。
 心停止から除細動までの時間が1分経過するごとに、生存率は約10%低下する。できるだけ早く使用することで救命への期待は高まる。
 救命率アップに向け、吉村医師は「一般の人にもっとAEDへ興味を持ってもらい、講習にも参加してほしい。いざという時に使えるような維持管理や1台のAEDを共有したり、目立たせたりする工夫も必要」と、適正な配置や活用の仕方を課題に挙げた。(渡部優)
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