【中心街編・上】三日町周辺 AED台数は充足 (2015/01/01)
八戸市中心街のAEDマップ
八戸市中心街のAEDマップ
AED設置場所の詳細
AED設置場所の詳細
AED設置場所の詳細
 商業施設やオフィス、公共施設など、さまざまな機能が集積する八戸市中心街。子どもから大人まで昼夜を問わず人が行き交うこの場所で、突然人が倒れたとき、対応できるのか―。デーリー東北新聞社が実施した、心臓が止まった人に電気ショックを与えて蘇生させる自動体外式除細動器(AED)に関する調査によると、市中心街には24施設にAEDがある。市立市民病院救命救急センターの吉村有矢医師は「中心街の範囲では台数は足りている」とする一方、「市民がある場所を把握しているか、緊急時に使えるかが重要だ」と指摘する。
 三日町交差点の半径約500メートルの範囲には、少なくとも24施設に計25台が存在する。吉村医師は「300メートルごとにAEDがあれば、取りに行って5分以内に心臓へのショックを与える除細動が可能。設置台数の問題は解決している」との見解を示す。
 24時間使用可能なのは、いずれも宿泊施設で6施設。夜間の急病人にも対応できる台数は確保されつつある。
 ただ、救命には救急車を要請したり、心臓マッサージをしたりと複数の人が必要。八戸グランドホテル管理部の新井山光支配人は「夜間でも使える場所は少ないと思うので、緊急の場合は貸したい。ただ、使い方を知っている人は多くなく、夜間は従業員も手薄なので、AEDが必要な場合はとっさの判断が必要だろう」と不安を口にする。
 設置している商業施設や事業所では、一部の従業員が講習を受講している場合が多い。一方、いくつものテナントが入っているビルでは店ごとに経営者が異なるため、講習を受講するのに足並みをそろえる難しさがある。
 十三日町の商業ビル「ファッションパル・ヴィアノヴァ」では、3週間ほど前にAEDを導入したばかり。ヴィアノヴァビル管理室の坂井健司さんは「販売店舗だけで30店舗ある。営業時間内の講習は難しいので、営業時間前などを使ってできるだけ早く実施したい」と話す。
 中心街を訪れる市民は、AEDの存在をどの程度認知しているのだろうか。「どこにあるのか、はっきりと把握していない」「救急車を呼んだ方が早い」との声が根強い。
 心停止はいつ、どこで、誰に起こるか分からない。ほとんどの場合、そこには救命のプロである医師や救命士はいない。
 突然人が倒れた状況で、AEDを使おうと思いつくか、どの場所のAEDを取りに行くか、AEDの使用方法や心臓マッサージの仕方を知っているか―。
 吉村医師は「多くの人が講習を受け、地域で問題を共有すれば、さらなる救命につながる」と訴える。
 医療従事者以外の一般市民が、AEDを使用できるようになってから10年が過ぎた。設置台数は着々と増える一方、使う側の態勢に課題が残る。
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 デーリー東北新聞社は心停止からの救命率向上へ、AEDの置き場所を多くの市民が共有することを目的とした「八戸市内設置マップ」を作製する。第1弾は、中心街の八日町から十三日町までの目抜き通り、長横町や鷹匠小路、市庁周辺の状況を分析した。
(AED取材班)
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