【中心街編・中】活用できる人少ない? 従業員の講習課題 (2015/01/03)
さくら野八戸店に設置されているAED。近くの扉には設置を知らせる表示を貼り、市民に周知している=八戸市三日町
さくら野八戸店に設置されているAED。近くの扉には設置を知らせる表示を貼り、市民に周知している=八戸市三日町
 「AED(自動体外式除細動器)をご存じですか?」。八戸市中心街で市民に問い掛けてみた。
 バス待ちをしていたパートの女性(65)は「うーん、何となくですが…」と薄めの反応。「どこに設置されているのか分からないし、AEDが必要な場面になっても、使ったことがないから戸惑うと思う」と漏らした。
 一方、中心街で種苗店を営む女性(81)は「百貨店などにあるのは知っている」と、設置場所には理解がある様子。ただ、「目の前で人が倒れたら、救急車を呼ぶのが精いっぱいかも。下手に手当てをしてしまったら…」と続け、実際に使うことへの不安を口にした。
 設置場所は周知されているのか、とっさの事態でAEDが活用できるか―。市民の声からは、こうした課題がうかがえた。
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 街なかを見渡すと、目抜き通りを中心にAEDを設置する施設が多く見受けられる。
 同市三日町のさくら野八戸店は、数年前から1階正面入り口にAEDを設置。近くの扉には設置を知らせる表示を貼り、市民への周知に努めている。
 実際に使われたケースはないが、久保亨管理店次長は「設置場所は多いほどいいと思う。いざという時に『ここにある』と知っておいてもらえれば、中心街を訪れる人の安心につながる」と強調する。
 一方、地元客や観光客でにぎわう八戸屋台村「みろく横丁」には現在、AEDが設置されていない。運営する「北のグルメ都市」の中居雅博代表は「必要性は感じており、今後、設置も検討している」と話す。
 中居代表には、店舗関係者がAEDを実際に使えるようにしたい―との思いもあり、「従業員の講習など課題はあるが、導入した場合の運用面も含めて考えていく」と力を込める。
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 心肺停止状態で倒れた人の命を救うには、一分でも一秒でも早くAEDを使用して除細動を試みる必要がある。多くの市民が集い、設置も進んでいる中心街では、比較的短い時間での対応が可能とみられる。
 だからこそ、今後はAEDを活用できる人材の育成が重要になりそうだ。
 中心街でテナントビルを運営する「石万」の石橋司社長は「中心街の商業者は、AEDのある場所は大体把握しているだろう」とした上で、「ただ、目の前で人が倒れた場合に対処できる人材はまだ少ないかもしれない」と指摘。
 「商店やビルなどの関係者が一緒に講習やトレーニングを受けて勉強し、いざという時に動ける人を増やすことが大切」と、街が一丸となった取り組みの必要性を訴える。
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