【中心街編・下】イベントでの講習効果的 消耗品公的支援を (2015/01/04)
AEDのパッドなどの買い替えは、設置施設が負担せざるを得ないのが現状。「行政の補助が必要」との声も多い
AEDのパッドなどの買い替えは、設置施設が負担せざるを得ないのが現状。「行政の補助が必要」との声も多い
 八戸市中心街で普及の進む自動体外式除細動器(AED)をさらに有効活用するためには、街なかでのイベントに合わせた講習の開催なども効果的かもしれない。
 商店街振興組合「三日町三栄会」は昨年11月、イベント「三の市」で初めて、AEDの体験講習会を開いた。市民に加えて商店街の関係者も一緒に参加し、AEDの使い方や心肺蘇生法を学んだ。
 「参加して良かった、との声が多かった」と事務局の出町京子さん(51)。以前、中心街で人が倒れたのを目撃した時、怖くて体が動かなかった経験があるだけに、講習を受けていざという時に備えることの重要性を実感している。
 「AEDがあっても使えなければ意味がない。中心街の商業者も使い方を学んでおくべきだ」と出町さん。こうした場を提供するため、商店街のイベントで体験講習会を定期的に開催することも考えている。
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 中心街でAEDを導入している多くの施設は、ホテルや百貨店などの事業所。設置は民間の「善意」による部分が大きく、維持管理費に関しても行政のサポートがないのが現状だ。
 同市番町の八戸グランドホテルは、フロントにAEDを1台設置。数年前、取引のある業者で組織する業者会から寄贈を受けて導入した。
 万一に備え、AEDのバッテリーやパッドの交換は定期的にしているが、管理部の新井山光支配人は「設置後も維持費がかかるので、自治体の補助などがあると助かる」と話す。
 特に、一度使ったら買い替える必要のあるパッドの場合、設置施設がAEDを貸し出して人命が救われたとしても、一義的にはその施設がパッドの費用負担を迫られる。これには三栄会の出町さんも「こうした部分に関しては、行政がしっかりと支援すべきだ」と訴える。
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 消耗品の補助について、市健康増進課の佐々木誠副参事は「事業所から、補助があればAEDがもっと普及するのでは―との意見も寄せられている」と明かした上で、「全国的な事例も参考にしながら調査、研究したい」と話す。
 一方、AEDに関する調査や研究を行う市立市民病院救命救急センターの吉村有矢医師はこう語る。
 「民間の善意は素晴らしいことだが、善意任せにするのもいかがかと思う。そこには国も含めて行政が関与し、より活用しやすい環境を整えるべきではないか」
 (中心街編は岩舘貴俊、渡部優、向中野一樹が担当しました。八戸市全域の設置マップは2月中に紙面掲載します)
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