進む設置率99.5%、進まぬ実習35.8%/青森県内公立学校 (2015/05/05)
八戸市立根城中で行われたAED実習。消防関係者の指導の下、生徒らはAEDの正しい使用手順を学んだ=2014年9月
八戸市立根城中で行われたAED実習。消防関係者の指導の下、生徒らはAEDの正しい使用手順を学んだ=2014年9月
 青森県内の幼稚園や学校で、自動体外式除細動器(AED)の設置が進んでいる。文部科学省が2014年度末に公表した調査によると、県内公立学校の設置率(設置予定も含む)は13年度末時点で99・5%に達し、全国平均を3・0ポイント上回っている。設置により、学校での人命救助につながったケースも見られ、有事の際に威力を発揮している。一方で、児童生徒対象の実習は学校の自主性に任せており、講習会などの実施状況に差が見られるのが現状だ。今後は実習の頻度や内容の充実度が求められることになりそうだ。(下田由理恵、玉川那津美)
 
 県内の学校施設では、05年に八戸市が初めて市立青潮小や根城中など市内6校の小中学校にAEDを設置。06年度には、県教委が全ての県立高校と特別支援学校にAEDを1台ずつ整備するなどして、普及度を高めてきた。
 文科省の調査によると、県内公立学校のAED設置率は、07年度は45・9%だったが、10年には97・4%に急増。13年度は幼稚園4園が未設置だが、公立の小中高校、特別支援学校の設置率は100%に上る。
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 公立学校で実際に使われたケースはないが、私立では13年9月、千葉学園高(八戸市)敷地内で、倒れていた50代男性を生徒が発見、教員と連携して応急処置し、無事に社会復帰した例がある。
 一方、児童生徒を対象とした実習の開催状況は全国の中でも低迷。隔年で実習を行う学校もあるが、13年度は小学校16・5%、中学校54・0%、高校81・5%と発達段階に応じて実施率は高まっているものの、全校種平均は35・8%と全国ワーストクラスだ。
 県教委スポーツ健康課は「保健体育で知識としてAEDについて学ぶが、現行の学習指導要領では実技実習は必須ではない」と現状を指摘した上で「小中学生はまずAEDの存在を知り、有事の際は教員など大人を呼んだ方が的確で早い処置ができる」として、教員対象の講習に力を入れる考えだ。
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 八戸市の実習状況を見ると、13年度は市内の小学校1校と中学校13校で、児童生徒を対象にAED救命救急講習を開催。このほか別の8校では、全教職員が講習を受けた。
 同市立明治中では、13年度から校内でAED講習を行っており、昨年9月には3日間にわたって開催した。これまでは全学年一斉に行っていたが、生徒に知識や技術を定着させる狙いで、学年ごとに少人数グループに分かれて受講させた。
 同校は今年9月にも実習を行う予定。三浦一純校長は「校内で何か起きたときに使えるだけでなく、中学生でも協力者として地域に貢献できるようになってほしい」と話している。
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