消防局が電極パッドを助成 登録制度導入の相模原市 (2015/06/19)
相模原市の登録制度について説明する担当者=相模原市消防局
相模原市の登録制度について説明する担当者=相模原市消防局
 神奈川県北部に位置する政令指定都市で、70万人超の人口を抱える相模原市は、2010年8月から自動体外式除細動器(AED)の登録制度を導入した。AEDを設置する民間事業所などを、緊急時に市民が活用できる「AED使用可能施設」として登録し、応急手当てに使われた電極パッドは市消防局が助成する仕組みだ。登録時に得た設置場所や使用可能な時間帯の情報をマップにして公表、市民に広く周知している。消防局の取り組みから、活用策や助成制度の在り方のヒントを探った。
 消防局によると、事業所は申請書にAEDの設置場所や営業時間などを記入して消防局に提出。申請が認められると、登録証と、使用可能施設であることを外部に示すための登録マークが交付される。
 倒れた人の体に貼り付ける電極パッドは、繰り返し使うことができず、一度使用すると買い替える必要がある。
 このため、使用可能施設でAEDが使われた場合、消防局は買い替えに5千円から1万円程度掛かるパッドを購入し無償で提供。制度導入以降の助成実績は9件で、傷病者が社会復帰を果たしたケースも。助成費用は消防局が予算計上しており、救急課の青木浩課長は「制度導入から5年になるが、大きな負担にはなっていない」と話す。
 民間のAEDはほとんどの場合、緊急時に貸し出して人命救助に使われたとしても、パッドの買い替え費用は自己負担=B初期設置費用ほど高額ではないものの、この点に注目してパッドの助成制度を導入する自治体は全国的にも例が少ない。
 登録事業所は250施設あり、うち83施設は貸し出しが24時間可能。消防局はこれらの情報を踏まえ、AEDを設置する公共の345施設も含めたマップを作製。ホームページや広報紙などを通じ、市民に情報を提供している。
 マップは、傷病者が発生した際に最も近い設置場所を通報者に伝えるなど、消防局の司令室でも活用。登録制度は、どこにあるAEDが最も迅速に活用できるかを知る上でも役立っている。
 課題は登録後のフォロー。「登録だけでなく、いざという時に使えるように」と、昨年からは事業所関係者を対象に年1回、日常点検や適正管理に特化した講習も始めた。
 「制度の導入で、民間の設置状況を把握できた効果は大きかった」と青木課長。山ア典子主査は「市民のため、AEDをより活用できる環境の整備に努めたい」と力を込める。
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