八戸のスーパー 男性が心肺停止 切れ目なき処置 命救う(下) (2015/08/16)
心肺停止の状態から一命を取り留め、社会復帰した久保功さん=7月、八戸市
心肺停止の状態から一命を取り留め、社会復帰した久保功さん=7月、八戸市
■ 命救った連携
 2年前の夏、八戸市の生協コープあおもり類家店で心筋梗塞を起こし、倒れた久保功さん(71)。心肺停止の状態に陥った久保さんが助かった要因は何か。市立市民病院救命救急センターの今明秀所長は「バイスタンダー(救急現場に居合わせた人)が数カ所に自動体外式除細動器(AED)を探しに向かい、その間にも絶え間ない心臓マッサージを行うなど、連携が良かった」と指摘する。

 救命救急は時間との勝負だ。心肺停止してから処置までの時間がかかるほどに、後遺症の確率は高まり、命が助かる可能性は低下する。
 救急隊到着前のバイスタンダーの応急処置が、重要な役割を果たす。
 久保さんの元へAEDを届けたパート従業員橋良子さん(53)は、以前から買い物でユニバース南類家店を訪れていて、AEDが設置されていることを知っていたという。今所長は「普段からある場所を覚えるようにして、とっさの事態で『AEDが必要だ』と思い付き、すぐに取りに走るという意識が大切」と強調する。
 バイスタンダーによる迅速な応急処置から救急隊、病院の高度な医療へと救命のリレーがつながれ、久保さんは命を取り留めた。現在も2カ月に1回、市民病院へ通院しているが、後遺症はなく元気に暮らし、ゲートボールやグラウンドゴルフなどの運動に打ち込む毎日を送る。
 当時を振り返る久保さんは「AEDの存在は知っていたが、まさか自分が使われるなんて思ってもみなかった。多くの人が講習を受けたり、AEDを使えるようになったりすればうれしい」。
 感謝の気持ちとともに、“救命の輪”のさらなる広がりに期待を寄せる。
(渡部優)
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