第3回「コラムに挑戦『私の天鐘』」
入賞作品紹介

 デーリー東北新聞社が募集していた第3回「コラムに挑戦『私の天鐘』」の入賞作品が決まった。今回は初めて、小・中学生の部で最優秀賞が2編選出されるなど、読み応えのある、内容の充実した作品が目立った。各部門の入賞者と、それぞれの最優秀賞に輝いた作品全文を紹介する。
 応募総数は計97点。昨年の84点を13点上回った。内訳は、一般の部(大学生を含む)が39点、高校生の部が8点、小・中学生の部が50点だった。
 八戸学院大短期大学部学長補佐・ライフデザイン学科長の茂木典子氏と、本紙「天鐘」担当者3人の計4人で、10月初旬、テーマや論旨、表現方法などについて審査、入賞作品を決定した。
 「私の天鐘」は、読者の方々に、日々の暮らしの中で感じている思いや希望、地域への提言などを、本紙の1面コラム「天鐘」と同じ形、字数で自由につづってもらうもの。
 表彰式は10月21日午前10時半から、本社6階メディアホールで行う。

小・中学生の部
●最優秀賞
「ことば」 八戸市立白山台中2年 田村 水脈(14)
「お母さんの友達」 八戸市立西白山台小5年 小山内 睦(10)
●優秀賞
「目まぐるしく変化する『あたり前』」 八戸市立白山台中3年 木村 由衣(15)
「三社大祭のこれから」 八戸市立東中3年 山野内彩香(15)
●佳作
「ボランティアから考える社会福祉」 八戸市立第一中2年 梅内智穂子(14)
「反抗期と母」 八戸市立白銀南中2年 佐藤 那奈(14)
高校生の部
●最優秀賞
「正しい選択」 八戸工大二3年 熊野葉瑠菜(18)=おいらせ町
●優秀賞
「失敗の宝庫」 八戸工大二3年 佐藤 綾子(17)=八戸市
●佳作
「海洋酸性化から海を守ろう」 八戸工大二3年 吉田 龍平(18)=八戸市
一般の部
●最優秀賞
「家事再考」 階上町 教員 佐々木宏恵(ささき・ひろえ)(52)
●優秀賞
「八戸市新美術館に期待する」 八戸市 自営業 蟹沢  健(65)
「ビブリオバトル」 八戸学院大短期大学部1年 下川原梨音(19)=十和田市
●佳作
「市民が輝けるまち」 八戸市 会社員 田村  巧(47)
「マスキングテープ」 八戸学院大短期大学部1年 石橋 美空(19)=八戸市
最優秀賞が掲載された紙面はこちらでご覧になれます。
総 評
 寄せられた一人一人の「私の天鐘」を読ませてもらいながら、「コラムって楽しいなあ」と、改めて気付かされた。順位を付けるのが申し訳ないくらいに、応募作品は一編一編がそれぞれに輝いていた。審査を終えた、偽らざる実感である。
 3回目となった今年は、環境保護など硬派な社会問題を扱った作品に加え、日々の暮らしのあれこれや家族との絆、自分の住む街の未来など、バラエティーに富んだテーマが集まった。Jアラートといった、つい最近の事象を取り上げた作品もあって、時代感覚の敏感さに驚かされた。
 特に小・中学生の部の応募作品が、昨年に比べ28点から50点へと増えたのは、心強い限りだった。レベルも高く、最終的に最優秀賞2編を選ぶ結果になった。
 中でも、唯一の小学生の作品は、難しい言葉や言い回しは全く使われていない。それでも、大人の心にじんわり響く。易しい文章でも人を感動させられることを実証していると思う。同じく最優秀賞の中学生の作品は、「金」と「鉄」を効果的に使いながら、言葉に対する繊細な思いをうまく表現していた。
 一方、一般の部における最優秀賞のテーマは、日々の家事に対する、前向きでほほ笑ましい反省だった。高校生の部では、若者ならではの正義感に駆られて取った行動についての、整理し切れないもやもやした思い。どちらも自分の考えに加え、反省や迷いを自らの言葉で素直に語っていて、読者が共感できる作品になっていたと思う。
 よく「コラムって何ですか」と、聞かれることがある。辞書で引くと、短い評論―などとあるが、個人的には、人とつながるコミュニケーションの手段の一つだと考えている。だから、多くの読者にこれからも「私の天鐘」に挑戦してみてほしい。
 だが言うはやすしで、自分の考えや思いを言葉にし、正しく相手に伝える作業は、実はとても難しい。天鐘なら563字しかないから、なおさらである。
 まずは「何を伝えたいか」をじっくり考えるところからだろう。伝えるべき内容が決まったら、まずどんどん書いてみる。平易な言葉で。読者に「金のことば」として響くように配慮する。単なる押し付けではなく、反省や迷いがあればそのままに。今年の最優秀賞作品が、そう教えている。(論説委員長)
【写真説明】
応募作品を選考した審査会=10月2日、デーリー東北新聞社
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