ふるさと幸福論:(1)よしっ 地元に戻ろう(2015/10/08)
デーリー東北

ふるさと幸福論 〜北奥羽の未来像〜
第1部 「ただいま」の風景

(1)よしっ 地元に戻ろう(2015/10/08)

ワーキングスペースで仕事に励む村岡将利さん。地元・十和田市にUターンする決意を固めた=9月、東京・上野
 都会へ出たい、地元に帰りたい―。進学や就職、結婚など、人生の転機が訪れるたび、多くの地方出身者は決断してきた。時に悩みながら、それでも選んだ道を一歩ずつ前へ進むために。
 東京都内在住で、昨年7月にIT個人事業主として独立した十和田市出身の村岡将利(しょうり)さん(29)はふるさとへ戻る決意を固めた一人。「生まれ育った愛着のある場所をより良い地域にしたい」。思いを胸に、早ければ来年にも十和田へUターンして、自分の会社を立ち上げるつもりだ。
 9月下旬、東京・上野のビル街の一角。カフェのような雰囲気も漂う開放的なワーキングスペースで、村岡さんが仕事に励んでいた。商売道具はパソコン1台。働く場所も時間も比較的自由に選べる。出勤という概念がない職業だ。
 「こういう仕事をすることになるとは、昔は考えてもいなかった」と村岡さん。現在の道へつながる人生の分岐点は、高校時代にさかのぼる。
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 県立十和田工業高在学中。将来は電気工事士になり、東京へ出て就職するつもりだった。しかし、就職活動で失敗。挫折を味わいながらも、進路を大学進学に切り替えた。
 東京電機大に進んで情報通信工学を学ぶうち、ITに興味を持つようになった。卒業後にベンチャー企業へ入社すると独立を意識し始め、3年ほど勤務して退職。経験を積むためにウェブ制作会社への転職を決めた。「独立したいので将来的に辞めます。その代わり、働く間はどんな地獄も味わう覚悟です」。面接では正直に伝え、採用された。
 大きな新規事業を達成し、自らにけじめをつけて個人事業主として独立。2社を渡り歩いて築いた人脈を生かしながら、自宅やワーキングスペースを仕事場にし、ウェブ制作などを手掛けている。
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 独立を果たした2カ月後に結婚。次々と人生の転機を迎える中で、Uターンを本格的に考えるようになった。「もともと東京へ出て経験を積み、いずれは帰ろうと思っていた。子どもは地元で育てたい。今がその時ではないか」
 思い立ったら即行動。7月末から8月のお盆明けまで、十和田の実家にパソコンを持ち帰って仕事をし、疑似的にUターン体験をした。電話やインターネットなどの通信手段をフル活用した結果、実際に仕事をこなすことができた。十分な手応えを感じた。
 目標は、Uターンして株式会社化し、十和田に事務所を設立すること。事務所はただの「職場」でなく、地元の若者が集まったり、子どもたちに仕事について教えたりするスペースとしても活用するつもりだ。
 「地元をより良くする方法を一緒に考えながら、ITがどんな仕事か、自分みたいな働き方もあることを伝え、新たな雇用創出につなげたい」。背景にはこうした信念がある。
 地方を取り巻く雇用情勢は厳しい。それでも、村岡さんは諦めない。「生まれ育った十和田に戻り、都会で学んだ技術や経験を還元するんだ」。そんな使命感も抱きながら、新たな挑戦に向かって走り続ける。

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