ふるさと幸福論:(3)目標は先 まだ帰らない(2015/10/10)
デーリー東北

ふるさと幸福論 〜北奥羽の未来像〜
第1部 「ただいま」の風景

(3)目標は先 まだ帰らない(2015/10/10)

地元にある三本木高校で講演する米田光明さん。生徒に職業意識を高めてもらおうと、全国を飛び回っている=7月、十和田市
 今年7月、青森県立三本木高校の体育館。普通科1年生の生徒約200人に向けた進路指導講座が開かれていた。
 講師は、東京都のリアセック高校企画チームディレクターで、キャリアコンサルティング会社「CDT」代表の米田光明さん(47)。地元の十和田市出身だ。「将来の夢が一つしかないと、可能性を狭めてしまう。『なってもいい』職業を幾つか持っておくことが必要だ」と、視野を広げる大切さを訴えた。
 同社は、自己分析や職業適性診断プログラム「R―CAP」(アールキャップ)の商品企画や販売促進を手掛ける。高校の導入実績は約830校。10人のスタッフがいるが、営業や教材を活用した授業サポートなどで、北海道から沖縄まで飛び回っている。
 講演はスタッフに任せることが多いが、「地元は特別扱い。本当は人前で話すのは好きじゃないけど、頑張ったよ」とほほ笑んだ。
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 八戸高専卒業後の1989年、リクルートに入社、上京した。高専で学んだ機械工学とは無縁そうな選択の動機は「高専時代にやった学祭の実行委員長が面白過ぎた」から。年上の同期と肩を並べ、主に高校生、大学生を対象としたキャリア教育の企画に携わった。
 そこで見たのは、就職活動で四苦八苦する学生たち。「未来を担う学生たちに、こんなところでつまずいてほしくない」と、一念発起し、2004年に独立した。
 米田さんの目には、今の学校教育が「受験の点を取るための詰め込み」と映る。「生徒らは、企業や社会が求めることを勉強する機会がない。教育と社会が分断されている現状を変えなければ」
 そんな思いから、仕事の傍ら、首都圏在住の青森県出身者グループ「AOsuki」(アオスキ)の活動で、修学旅行で上京した中学生が、さまざまな職業の県出身者と語る場も提供している。
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 全国の進路指導担当と語り合う中、中部地方のある教師が東京への一極集中を捉え、こんなことを言った。「地方の進学校は、優秀な生徒を都会に送り出す装置になっているんですよ」
 自嘲気味に漏らした本音に共感する一方、「このままではいけない。日本中どこでも戻って働ける環境をつくるのが、僕らの役目だ」との思いもよぎった。
 地元に帰れば、両親や友人が温かく迎えてくれ、おいしい食べ物や地酒もたくさんある。インターネットの普及で、自然の中でゆったりと働くこともできるし、交通網の整備で首都圏との時間的距離も縮まった。ふるさとに拠点を設けることも、選択肢にはある。
 だが、さらなるキャリア教育の充実を目指し、「まだやり遂げていない目標がある」と考えている米田さんにとっては、居心地の良さがかえってネック。「ほっとし過ぎて気持ちが途切れちゃう」と笑う。
 それでも、最終的には青森に貢献できる基盤をつくりたいと願っている。得意なことは、フットワークの軽さを生かして知恵と人脈を増やすこと。
 当面の方針が見えてきた。「あと10年くらい全国を歩いて、1万人のビジネスパートナーをつくる。そしたら、地元に戻って、みんなを招待したい」

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