ふるさと幸福論:(9)地元か県外か 揺れる心(2015/12/06)
デーリー東北

ふるさと幸福論 〜北奥羽の未来像〜
第3部 若者リアル@仕事

(9)地元か県外か 揺れる心(2015/12/06)

八戸市内で開かれた就職面接会。参加した学生らは、緊張感を漂わせながら仕事選びに奔走した=11月上旬
 11月上旬、八戸市内のホテルで開かれた就職面接会の会場は、ピリッとした緊張感に包まれていた。
 大学の新卒予定者や既卒者らが対象。会場では100を超える事業所がブースを設け、各担当者は会社概要や仕事内容を説明。その場で実際に面接を受ける参加者の姿もあった。
 「地元で就職したくて参加した」。訪れた学生の多くからこんな声が上がった一方で、「希望する職種の求人が少なかった」との意見も。慣れ親しんだ地元で働くことへの魅力と、限られた選択肢から自分に見合った仕事を探す難しさとの間で、若者の心は揺れ動いているようだった。
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 八戸学院大4年の佐藤雅也さん(21)=三沢市出身=は11月中旬、本命だった地元の農協に内定し、「うれしいし、ほっとした」と胸をなで下ろした。
 地元就職が希望で、6月から企業説明会に参加するなどして就職活動を開始。農協の試験が10月からということもあり、夏には別の地元企業も受けたが、内定には至らなかった。
 就職先が決まらない不安はあったが、「生まれ育った場所で働き、少しでも地元に貢献したい」との思いで、第1希望の農協に全てを懸けた。地元志向を貫いた佐藤さんの描く将来の理想は「親の近くで暮らしながら、いずれ結婚し、生活を安定させる」ことだ。
 八戸工業大4年の田中亨さん(22)=八戸市出身=も、地元企業に絞って就活に励み、市内のガス会社に内定した。
 首都圏の企業と比べると、初任給は3万〜4万円ほど低い。それでも「両親や友人がいる八戸が好き」と、地元就職を優先させた。
 「これまで築いた人間関係を大切にできることが@預始@、@預終@何よりの決め手です」。選んだ道に迷いはない。
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 就職を機に県外へ出る選択をした学生もいる。悩んだ末に首都圏での就職を決めたのは、八戸工業大4年の田畑圭一さん(22)=七戸町出身=。発電所関係の業務を担う企業の内定を得た。
 当初は「長男だし、親の体も心配」と地元希望で、中小企業を中心に就活を進めていた。だが、さまざまな企業を見学するうちに、「県外で経験を積みたい」との気持ちが強まった。
 受験した県内と首都圏の企業を比べると、初任給に大きな開きがあった。「実家の家計を少しでも支えたい」との思いがある田畑さんにとって、高い給与も魅力的だった。「自由に決めて頑張りなさい」との両親の後押しもあり、一歩を踏み出す決意を固めた。
 これから就活を迎える若者はどんな思いでいるのか。八戸学院大3年の畠山由佳さん(21)=八戸市出身=は、NPO活動や大学職員など興味のある分野が幅広く、現時点で働く場所にもこだわりはない。
 「職種や勤務地はまだ絞り込まない。自分で選択肢を狭めたくないから」。就活ではできるだけ多くの場所に足を運び、目いっぱいに広げた“可能性”の中から、自分なりの仕事を選び取るつもりだ。

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