ふるさと幸福論:(10)選んだ道「ベストだった」(2015/12/07)
デーリー東北

ふるさと幸福論 〜北奥羽の未来像〜
第3部 若者リアル@仕事

(10)選んだ道「ベストだった」(2015/12/07)

サッカーの指導に熱意を注ぐ中村圭悟さん。都会に憧れた時期もあったが、今では地元で好きなことができる環境に感謝している=11月下旬、五戸町内
 「集中していくぞー」。きりりと冷え込んだ11月下旬の日曜日、五戸町の球技場に、鋭い声が響いた。コートの中心にいたのは、八戸市南郷の中村圭悟さん(31)。サッカーチーム「ヴァンラーレ八戸」で、中学生以下の「U―15」を指導するコーチとなって7年目だ。
 年末年始やお盆を除き、休みは週1回。平日の日中は、チームを運営するNPO法人の事務、夜と土日は練習と、拘束時間も長いが、不満はない。「試合に勝った時の達成感は何物にも代え難い。好きなことを仕事にでき、恵まれていますよ」
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 とにかく、幼少のころから続けてきたサッカーに関わっていたかった。「学校の先生になれば部活動の指導ができる」と考え、教員を目指すことにした。
 進学先に都内の私立大学を選んだのは「今考えると恥ずかしい、すごくミーハーな理由」からだった。
 サッカー日本代表の試合や、好きな歌手のライブを気軽に見に行ける。テレビで見た店で食事もできるし、雑誌に載っている服も手に入る。両親には「社会勉強をしたい」と説明しつつ、頭の中は都会への憧れでいっぱいだった。
 アパートに空き巣が入るトラブルはあったが、夢見た“都会ライフ”を満喫。ただ、卒業後の進路は「地元に戻る」という選択肢しか思い浮かばなかった。「東京は楽しかったけど、『もう十分』と思ったんでしょうね」と振り返る。
 ヴァンラーレが誕生したのは、大学4年のころ。卒業後、市内の中学校で講師をしながら教員採用試験の勉強を続けていたが、「地元初のサッカーチームの仕事をしたい」という思いは日増しに強くなった。「挑戦せずに後悔したくない」と2008年、教員の道と決別し、就職を決めた。
 教員に比べると、給料は決して高くない。インターネット上には、大学時代の友人が「都内にマンションを買った」などと、華やかな近況を書き込んでいる。ふと、「都会で就職していたらどんな人生だっただろう」と、思うこともある。
 それでも「自分が必要とされている」との実感は、講師の時以上に強い。「子どもたちとサッカーしている時が一番楽しい」。選んだ道がベストだった、との確信は揺らがない。
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 橋大樹さん(23)は、六ケ所村出身。八戸学院大卒業後、八戸市内の自動車教習所で指導教官として働き、2年目となる。
 就職先を選ぶ際、重視したのは、勤務地と仕事内容。「人に何かを教えたかった。県外に出ようとは考えなかったですね」。胸の中には、実家の近くで生活し、女手一つで育ててくれた母親に安心してもらいたい、との思いもあった。
 教習が集中する1〜3月は多忙だが、休日は十分にあり、無理のないペースで働ける。月給は手取りで約14万円。首都圏に就職した同級生に比べると低いが、ボーナスもあり、生活には困らない。
 「生徒さんから『教習が分かりやすかった』と言われるのが一番の励み。自分に合った仕事に就けて良かった」と橋さん。アットホームな職場の雰囲気も気に入っている。

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