ふるさと幸福論:(11)「帰る場所あるからこそ」(2015/12/08)
デーリー東北

ふるさと幸福論 〜北奥羽の未来像〜
第3部 若者リアル@仕事

(11)「帰る場所あるからこそ」(2015/12/08)

東京都内の医療系商社に勤務する、仕事帰りの赤坂優実さん。「都会で多くのことを経験したい」と考えている=11月下旬、東京駅八重洲口
 十和田市出身の赤坂優実さん(26)は、東京都内の医療系商社に勤務する。都会で社会人となり3年目。忙しい毎日だが、生活は充実している。
 会社では医療機器の販売や営業を担当。午前はオフィスで書類を作成し、午後は顧客回り。夕方にオフィスへ戻って再び仕事に励む。電車に乗って自宅へ帰ると、日が変わっていることもしばしばだ。
 都会で働く理由は、「若いうちに多くのことを経験しておきたい」から。情報と人のあふれる東京は何かと刺激が多い。つらいことも寂しい時もあるが、都会暮らしを経て、視野が広がったと感じている。
 地元の十和田、そして青森県は大好き。同じように東京で働く県出身者の若者と一緒に、青森を盛り上げる活動にも携わっている。
 地元へ帰りたい、という気持ちはもちろんある。ただ、東京で積み上げた今の仕事や人間関係は、そう簡単には捨てられない。
 悩むから、結論は30歳で出すことにした。「あと4年、東京でどこまでできるかやってみよう」。答えが見つかるまで、今の場所で生き方を考えるつもりだ。
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 職業、舞台女優。都内で暮らす島野温枝さん(30)は「キラキラしたもの」を求めて、高校卒業と同時に出身地の佐井村を飛び出し、上京した。
 下北半島の小さな村が嫌いだった。おしゃれをしたくてもすぐに目立つし、遊ぶ場所もない。テレビや雑誌で目にする都会の華々しさに憧れた。「理由は何でもいい。とにかく東京へ出よう」が本音だった。
 短大に通いながら、以前から興味のあった劇団に入り、芝居に明け暮れた。卒業後は旅行会社でOLになったが、芝居への思いを断ち切れず、1年間で退職。以来、舞台の仕事とアルバイトで生計を立てている。
 好きなことを仕事にした生活は楽しい。一方、12年間の都会暮らしで気付いたことがある。「帰る場所があるからこそ、こっちで頑張れる」
 飛び出した田舎は、温かい人々の集う素晴らしい場所だった。いつか青森で舞台をして、佐井の子どもたちに芝居を見せたい。過疎化の進む村のために、何かできることはないか―。そんな思いが募っている。
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 弘前市出身の東谷旭さん(22)は社会人1年生。今春、都内の大学を卒業し、品川区の公立小学校で講師として働き始めた。
 朝5時に起床し、自転車で出勤。学校では3〜6年の算数を受け持ち、夕方は職員会議、夜も翌日の授業の準備などに追われる。時々行くカラオケがストレス解消法だ。
 学生時代と環境が一変し、仕事漬けの日々となったが、「授業で工夫し、うまくいった時が一番うれしい」。大変だが、同時に大きなやりがいを感じている。
 都の教員採用試験しか受けなかったのは、研修が充実しているから。一人前の教員になることを目指し、合格するまで挑戦し続ける。
 「今はとにかく修業する時期。地元へ帰ろうと思う暇もない」。しばらくは、都会で自分の力を目いっぱい試すつもりだ。

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