ふるさと幸福論:(15)医療費、住宅補助が奏功(2016/01/04)
デーリー東北

ふるさと幸福論 〜北奥羽の未来像〜
第4部 子育て見詰めて

(15)医療費、住宅補助が奏功(2016/01/04)

4人の子どもを見詰める斉藤朋子さん(右)。若い世帯が住む場所を選ぶ上で、医療費などの補助も重要な要素となっている=六戸町小松ケ丘地区、2015年12月下旬
 北海道出身の主婦斉藤朋子さん(36)一家は、夫の転勤に伴い2014年3月、前任地の千葉県から、六戸町の小松ケ丘ニュータウンに移り住んだ。
 子どもは小学4年の長女から1歳の次男まで4人。斉藤さんは「子どもが多いと、風邪などでとにかくお金が掛かる。中学生まで医療費が無料の六戸町の制度はありがたく、住む場所を選ぶ上で重要なポイントだった」と語る。
 夫の職場は八戸市内。通勤の利便性や、市部に比べて安い住宅環境、生活圏内に学校や病院がそろっていることも決め手となった。
 静かでのんびりとした環境が気に入り、15年夏、思い切ってマイホームを購入。「大好きなバーベキューが思う存分でき、家族ぐるみで付き合える友達もできた」と、笑顔で語った。
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 15年12月25日、青森県が5年に1度の国勢調査(10月1日現在)の速報値を発表した。県内人口は130万8649人で、前回(10年)に比べ4・7%減。かつてない急激なスピードで人口減少が進んでいる現実が、データで示された。
 ほとんどの自治体で人口減少が進み、増加した自治体は六戸(182人増)と、おいらせ(9人増)の2町のみ。このうち、六戸町の人口増加に大きく貢献している地域が、町北部の小松ケ丘ニュータウンで、県内でも珍しい、若者世帯が定着する地区となっている。
 若い世帯を引き付ける大きな理由は、1坪当たり1万〜2万円と、市部に比べて安価な分譲価格。八戸、十和田、三沢の3市のほぼ中間に立地し、アクセスも良好だ。
 加えて、町が08年度から始めた中学生までの子ども医療費の無料化は、子育て世帯から「家計が助かる」と好評だ。今では県内31市町村が同様の事業を行い、高校生まで対象を広げている自治体も5市町村あるが、開始当時はまだ先進的な取り組みだった。
 さらに12年度からは新築住宅建設費も補助し、定住促進策に本腰を入れたことが奏功し、地区の人口は、803世帯2038人(15年12月1日現在)と、10年間で倍以上に増えた。
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 金銭面の補助はニーズが高く、若い世帯の定着に一役買っている一面はある。ただ、厳しい経済事情や産科医不足など、北奥羽地方全体を見渡せば、子育てに関する課題は多い。
 斉藤さんも、次男の出産の時期が転勤と重なり、出産場所の確保に苦労した。予定日が迫っていたこともあり、「お産の扱いをやめた」「予約がいっぱい」などと10カ所近くに断られた。ようやく八戸市の助産院で受け入れてもらえたが、「こんなことは初めてで、切実な問題だ」と訴える。
 同地区の母親からは、ほかにも「大きなスーパーは三沢や十和田に行かなければなく、買い物が不便」「首都圏から移り住んだが、転職で収入が激減。もう少し給与の高い求人がないと厳しい」といった根本的な少子化対策に向け、環境整備を求める声が聞かれた。
 町福祉課の担当者は、「周辺自治体とのパイの奪い合いでは限界がある。生まれる子どもを増やさなければならない」と話す。

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