ふるさと幸福論:(17)東大の授業「充実」(2016/02/06)
デーリー東北

ふるさと幸福論 〜北奥羽の未来像〜
第5部 若者リアル@学び

(17)東大の授業「充実」(2016/02/06)

東京大学のハイレベルな授業に充実感を感じている久住空広さん。地元でリフレッシュし、東京へ戻る=1月下旬、JR八戸駅
 久住空広(くすみ・たかひろ)さん(20)=南部町剣吉出身=は、東京大学1年生。青森県立八戸高を卒業後、1年間の浪人生活を経て理科1類に合格し、キャンパスライフを満喫している。大学生初の冬休みは、成人式に出席するために里帰り。「久々に地元の友達と会って楽しんだ。のんびりできる地元は、やっぱり大事な場所ですね」と頬を緩ませた。
 「できるだけレベルの高い大学に行きたい」と、東大を志したのは高1の終わりごろ。充実した環境で、好きな物理や化学の研究を極めたいと思った。姉(21)も東大生で、心のどこかに「負けられない」との気持ちもあった。
 高校時代は、中学校から続けていた陸上部の活動に熱中していた。平日は午後6時に部活を終え、電車で帰宅すると午後8時すぎ。夕食、入浴後に宿題や予習、復習を済ませ、日付が変わるころには就寝していた。
 部活動が午前中で終わる土日は、4〜5時間勉強したが、「東大の受験対策には全然間に合っていなかった」。目標に届かず、悔しい思いを味わった。
 「もう1年頑張れば、きっと入れる」。両親に頼んで寮のある仙台市の予備校に入り、再チャレンジを決意。勉強漬けの1年間を過ごし、昨春、念願の合格をつかみ取った。
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 東大の授業は、1時限105分と、長時間集中しなければならない。最も多い日は、午前8時半開始の1限目から、午後6時35分に終わる5限目まで、びっしりと授業がある。
 授業はハイペースで進み、レポートを書くのも一苦労。特にきついと感じるのは、英語で論文を書く授業で、外国人の先生の話す内容が聞き取れず、友人に助けてもらうこともあるという。
 それでも「毎日すごく充実している。入って良かった」と後悔はない。前期の成績は、ほとんどが4段階で最も良い「優」だった。
 最も興味のある物理は、「昔の人がどのように考えて法則を見つけたのか、発展の仕方にロマンを感じる」のだという。
 将来の進路は、まだ決めていないが、「リーダー的な立場より、こつこつと研究に打ち込む方が性格に合っている」と自己分析。「ノーベル賞を取った偉大な日本人研究者の後に続ければ」と、夢を描く。
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 進学校の高校生は、どんな基準で大学を選んでいるのだろう。八戸高進路指導主事の嶋雅樹教諭(54)は、「学びたい学部や教わりたい教授、研究室の設備などを重視し、東北大をはじめとした全国各地の国公立大や、首都圏の私立大を選ぶ」と説明する。
 地域の将来を担う多くの優秀な若者が、卒業と同時に県外へ転出することになるが、嶋教諭は単に人材を放出しているだけではないとの見方を示す。
 「青森や岩手出身の生徒が、いずれ国や企業で責任あるポジションに立つと考えれば、地域にとってプラスになるのでは」。いつまでも、ふるさとを思う気持ちを持ち続けてほしいと願っている。

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