ふるさと幸福論:(18)秋田で育む国際的人材(2016/02/07)
デーリー東北

ふるさと幸福論 〜北奥羽の未来像〜
第5部 若者リアル@学び

(18)秋田で育む国際的人材(2016/02/07)

グローバル化に対応した人材育成を地方からリードする国際教養大(上)と、国際色豊かな学生でにぎわう学食(下)=いずれも1月下旬、秋田市
 世界で活躍する人材を地方で育てる―。田園風景の広がる秋田市郊外に、従来の日本の大学とは一線を画した、国際色豊かな取り組みで全国的に注目を集める大学がある。
 2004年、全国初の公立大学法人として開学した国際教養大(AIU、鈴木典比古学長)。授業は全て英語で実施され、1年間の海外留学が義務。寮では世界各国の留学生とも寝食を共にし、キャンパスライフそのものが国際交流の舞台となる。
 入学定員は175人、1科目当たりの平均登録学生数は17人。少数精鋭教育に徹しているのは、学生と教員との議論を活発にし、一方的な講義でない、双方向の授業を展開するためだ。
 こうした独自の取り組みは受験生の心をつかみ、地方の小さな大学は開学からわずか12年で“全国区”になった。秋田から始まった新たな挑戦は、日本の大学教育の在り方にも一石を投じている。
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 AIUに通う4年松村瞳さん(21)は八戸市出身で、実家は六戸町にある。県立三本木高から進学したが、受験生のころは大学へ行くかどうかも迷っていた。
 大学に進んで遊んでいる先輩の姿を見て、「大学って私にとって何だろう。本当に行く意味はあるのか」と悩んだ。それでも「やっぱり勉強がしたい」と思い直した時に、AIUの学習環境が魅力的に映った。
 秋田にありながら、全国から、さらには世界から学生が集まる。少しだけあった都会への憧れは捨て、地方にある、小さくても世界に通じる大学で学ぶ決意をした。
 自分も家族も「生粋の青森県民」。海外経験はほとんどなく、入学当初は英語で進められる授業が全く理解できないこともあった。だが、個性的な大学での生活は充実している。
 「青森で育ってきて、地方と都会では格差があると感じてきた。同じ地方の秋田の大学で、何が問題なのかをきちんと考えたい」。世界を学ぶ松村さんだが、その視線は同時に地方にも送られている。
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 大学進学のため、地方から都会へ出る若者は多い。一方、生まれも育ちも東京の4年安田佑介さん(24)は、2浪半を経てAIUに入学した。都会から地方へ来た“逆パターン”だ。
 学ぶことは好きだが、テスト用の勉強が苦手で、首都圏の大学を目指した受験では何度も挫折を味わった。AIUの存在を知ったのは浪人時代。調べてみると、他の大学にはない独自の教育システムがずらりと並んでいた。
 「『たくさん勉強します』という方針を堂々と示しており、成長できると感じた」。秋入学の特別選抜試験で、「自転車で日本1周する」との独自の活動計画を提出し、合格を果たした。
 東京と異なり、近くにはスーパーもコンビニもないが、勉強するにはいい環境。自然豊かな秋田のキャンパスライフがむしろ気に入っている。
 「コンクリートに囲まれた東京では近所付き合いもほとんどないが、ここでは大学内はもちろん、地域の人々との交流も多い」。世界でも日本でも共通して必要な、人間関係を学ぶ機会になっている。

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