ふるさと幸福論:(21)共働き支える祖父母(2016/05/04)
デーリー東北

ふるさと幸福論 〜北奥羽の未来像〜
第6部 “日本一”の県・福井

(21)共働き支える祖父母(2016/05/04)

幸福度が全国で最も高いとされる福井県の県庁所在地・福井市。中心部を走る路面電車が印象的だが、街並み自体は全国の地方都市と同様に映った=4月下旬
 日本海に面する北陸地方の福井県。人口約78万3千人、海と山に囲まれて冬には大雪も降る地方の県は、一般財団法人・日本総合研究所(寺島実郎理事長)の2014年版幸福度ランキングで全国トップになった。
 経済力で圧倒する東京都などを抑え、福井が日本一≠ネのはなぜか―。そんなことを考えながら、八戸駅から東北新幹線と北陸新幹線、さらに在来線の特急を乗り継ぎ、福井駅に降り立った。
 県庁所在地・福井市の人口は約26万5千人。街の規模は八戸とそれほど変わらない。路面電車が走っているのが印象に残った一方、全国の地方都市と同様にシャッターの閉まった商店街も。一見して幸福度1位の理由を感じ取ることはできなかった。
 ただ、一角のカフェや居酒屋をのぞくと、女性同士のグループや幼い子どもを連れた家族がずらり。特に、女性が社交場で活発に楽しむ様子が象徴的に映った。来店客に話し掛けると、「福井の女性はみんな働いているから、外に出る機会も多い」との答え。初対面でもみんな気さくに応じてくれた。
 百貨店やスーパーの食品売り場では、総菜コーナーが充実していた。しばらく様子を見ていると、買い物客が揚げ物などのおかずを次々と籠の中に。これも、働く女性が多い福井ならではの光景だろうと感じた。
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 福井の女性のライフスタイルを知るため、福井城跡に立つ福井県庁の女性活躍推進課に向かった。
 同課によると、夫婦世帯における共働きの割合は56・8%で全国トップ。担当者は「福井では、昔から専業主婦がほとんどいない。女性も働くことが当たり前だと考えている」と教えてくれた。
 それを支えているのは、3世代の同居や近居だという。福井では、保育園や幼稚園に通う子どもがいる世帯の3世代同居が38・1%。車で30分以内の範囲に住む3世代近居が52・6%で、合わせると約9割を占める。
 つまり、祖父母が近くに住み、親の子育てをバックアップする環境がある。「孫育て」は祖父母の生きがいにもなり、結果として福井全体の暮らしの豊かさにつながっている―との説明だった。
 一方で、担当者は課題も挙げた。「福井の女性は家事や仕事の時間が長く、ゆとりの時間は短い」。働く女性が多いだけに、裏を返せば「極端に忙しい」という問題点もあるようだ。
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 福井市から車で南下し約40分。武生(たけふ)盆地の中央部に市街地がある越前市では、3世代が同居する一般家庭へ実際に足を運んだ。
 大人と子どもの総勢8人がにぎやかに食卓を囲み、祖父母と両親が協力して子育てに励む―。ぬくもりに包まれた家庭のワンシーンの中、母親が福井に引っ越す前の東京暮らしを思い浮かべながら、「あの頃より余裕を持って生活できる」と充実感を漂わせていたのが印象的だった。
 福井市と越前市に挟まれた場所にある鯖江市は、眼鏡フレームの生産で有名な街。ここでは、若者が地域おこしに積極的に参加する姿を目にした。
 「自分たちが暮らす地域を盛り上げたい」と思いを語り、必死に汗を流す彼らは、希望の力であふれていた。きっと、福井のこれからの未来を担っていくことだろう。こうした若者の市民参加も、地域を豊かにする秘訣(ひけつ)なのかもしれない。

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