政のカタチ 青森から見る「0増6減」:第1部 1票の価値(中)格差の要因(2017/04/08)
デーリー東北

政のカタチ 青森から見る「0増6減」
第1部 「1票の価値」

 1票の格差是正に向け、「衆院選挙区画定審議会」は月内にも新たな区割り案を首相に勧告する。人口比例に基づく見直しによって、地方の議席は減り続けるのか。変わる「政(まつりごと)のカタチ」。その周辺を探る。

(中)格差の要因(2017/04/08)

多くの人が行き交う東京駅前。1票の格差は「1人別枠方式」と、都市部などへの人口集中に起因する
 司法が問題視する1票の格差は、なぜ生じるのか―。最高裁は衆院選を違憲状態とした判決で、最大の原因に「1人別枠方式」を挙げた。立法機関である国会に対し、制度の廃止と定数配分の抜本的な見直しを求めている。
 1人別枠方式は衆院の議席に関して、まず全国47都道府県に1ずつ割り振り、残りを各都道府県の人口比に基づいて配分する。人口が少なくても議席が担保されるため、結果として地方の比重が大きくなる。
 「今の選挙制度ができた時に、各都道府県に最低の枠(1議席)を保証しようとして用いられた」。日本大学法学部の岩井奉信(ともあき)教授(66)=政治学=は経緯を解説した上で、「地方への配慮があったのかもしれないが、1票の格差を生じさせる大きな原因になっている」と指摘する。
 議席配分の“地方優遇”。「法の下の平等」にひずみを生み出す一因として、矢面に立たされている。
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 1人別枠方式は2012年の関係法令の改正で廃止されたが、実態として仕組みは残っている。1票の格差是正に向け、昨年10月に決定した衆院小選挙区定数の「0増6減」でも、青森や岩手など全国6県の議席を一つずつ減らしたが、別枠の撤廃には至っていない。
 国会の動きについて、岩井教授は「小手先の措置」と手厳しい。「議席配分の方法を一から練り直すのは大変な作業だから、うやむやにしている。ただ、放置すれば選挙無効判決が出ないとも限らないため、バタバタと是正を行う」。抜本改革が進まない理由をこう説明する。
 長く政権を担ってきた自民党の支持層が、都市部に比べて地方の方が厚いという構造にも着目。「自民にとって地方は“金城湯池”であり、別枠を外すと地方が割を食うため、なかなか廃止できないのでは」と推し量る。
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 地方から都市部への人口流出も、1票の格差に拍車を掛ける。地方で少子高齢化が加速する中、「東京一極集中」は肥大化する一方で、繰り返しの是正が必要になる。
 これらの現状は、人口比に基づく議席配分にも影響を及ぼす可能性もある。青森県の人口は死亡数が出生数を上回る自然減と、他都道府県への流出による社会減で減少の一途をたどる。昨年4月の推計人口は130万人台を割り、戦後間もない1950年代の水準まで落ち込んでいる。
 「日本は中央集権で、国に依存する度合いが強い。地方にとって、国会議員は中央と地方の橋渡し役、地域の代表という性格を帯びている」。岩井教授は「国民の代表」である国会議員の定義と実態の乖離(かいり)を挙げ、1票の格差是正に伴い「地方の声が届かなくなるという懸念が生まれる」と読み解く。

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