政のカタチ 青森から見る「0増6減」:第1部 1票の価値(下)改革の行方(2017/04/09)
デーリー東北

政のカタチ 青森から見る「0増6減」
第1部 「1票の価値」

 1票の格差是正に向け、「衆院選挙区画定審議会」は月内にも新たな区割り案を首相に勧告する。人口比例に基づく見直しによって、地方の議席は減り続けるのか。変わる「政(まつりごと)のカタチ」。その周辺を探る。

(下)改革の行方(2017/04/09)

人口が少ない地方で国会議員数の削減が進む現状に、青森県内の首長からは先行きを懸念する声が相次ぐ(写真はコラージュ。左から時計回りに三村申吾青森県知事、小林眞八戸市長、三浦正名五戸町長。中央下部は国会議事堂)
 「法の下の平等が(1票の格差を違憲状態とした)最高裁判決の通りかと言えば、違う。都市部の人が日本全体を決める形に世の中が進む」(小林眞八戸市長・2016年1月)
 「町や村の声が国政に反映されにくくなるとの懸念がある。地方に配慮する姿勢は忘れないでほしい」(三村申吾青森県知事・16年10月)
 1票の格差是正を命題に、人口が少ない地方で国会議員数の削減が進む現状に対し、県内の首長からは先行きを懸念する声が絶えない。
 13年に衆院青森3区から2区への編入を強いられた五戸町。「区割りが頻繁に変われば、やりにくい部分もある。人口だけでなく、面積など地域事情を考慮して議席を配分できないか」。町内に戸惑いが広がった経緯があるだけに、三浦正名町長の訴えは切実だ。
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 1票の格差是正に向けた衆院小選挙区の「0増6減」に伴い、昨年10月に青森県内の選挙区が4から3に削減されることが決まった。
 15年の国勢調査に基づき、議員1人当たりの人口が少ない都道府県から順に定数を減らした。対象となったのは青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島。比例代表も「0増4減」とし、衆院は10議席が減る。
 ただ、選挙制度改革を長期的に展望した場合、今回の見直しはあくまで暫定措置の位置付け。16年施行の改正法は、10年に一度の大規模な国勢調査を踏まえ、都道府県の人口比を反映しやすい新たな議席配分方法「アダムズ方式」の導入を掲げる。
 新方式は20年の国勢調査以降の定数配分に反映される見通し。「人口が減ればやはり議席も減るし、導入によって是正の必要がなくなるわけではない」。政治関係者や専門家の多くは、さらに地方の議席が削減されるとの見方を示す。
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 格差是正に向けた改革を進めながら、「地方軽視」の懸念を払拭(ふっしょく)しつつ、「1票の平等」を保つ方策はあるのか。弘前学院大社会福祉学部の西東(さいとう)克介(かつすけ)教授(57)=政治学=は、参院に「地域代表制」を導入することを提唱する。
 地域代表制では、人口に関係なく、例えば青森県にも東京都にも同じ定数の議席を配分する。「参院に優越した権限を持たせ、議員を地域代表として位置付ける」のが狙いで、「抜本改革のために、長期的に議論することが大事だ」と強調する。
 日本大法学部の岩井奉信教授(66)=政治学=も「地方の声をどうするのか、日本の二院制をもっとうまく活用していい」と同調する。全国知事会などでも、地域代表制の導入を提言する動きも出ているという。
 ただ、1票の価値を踏まえると、制度を導入するためには憲法改正に踏み込まなければならない。「国会議員は国の政治や外交、防衛に専念し、地方の問題は地方で決める」。選挙制度の見直しを機に、国会の在り方、中央と地方の役割を明確にした分権の推進も検討すべきと指摘する。

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