政のカタチ 青森から見る「0増6減」:第2部 「変わる“地元”」(1)投票の基準(2017/04/21)
デーリー東北

政のカタチ 青森から見る「0増6減」
第2部 「変わる“地元”」

 衆院選挙区画定審議会(区割り審)が19日、小選挙区定数を「0増6減」する区割り改定案を安倍晋三首相に勧告した。選挙区が変わることを、有権者はどのように受け止め、行動しようとしているのか。

(1)投票の基準(2017/04/21)

何を基準に投票すればいいのか―。有権者の思いは揺れている
 衆院選挙区の新たな区割りを検討してきた有識者による審議会が19日夕、最終判断を下した。
 青森県内の定数は4から3に減ることが既に決まっていた。注目されたのは小選挙区の形。現在の青森2区を分割し、1区と3区に振り分ける内容だった。
 下北半島と上十三地区をエリアとした県内最大の選挙区は消滅。十和田市や三沢市、上北郡南部は、八戸市と三戸郡と統合して新2区となり、下北と上北郡北部、青森市などからなる新1区は陸奥湾をぐるりと取り囲み、南部地方から津軽地方にまたがる。
 1996年の小選挙区導入以降、県内の有権者に染み付いてきた“地元”が変わる。
 「候補者はどうなるのか」「大きな都市が優先され、自分たちの地域が置き去りにされないだろうか」―。
 「1票の格差」の是正、法の下の平等…。有権者の多くは区割り改定の必要性に理解を示しながらも、消化不良のまま困惑している。
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 有権者は今後、何を基準に投票するのか。
 「これまで人で選んできたし、これからも変わらない」。十和田市の会社員の男性(60)は、新しい選挙区でも身近な人を選びたいという。
 地方では特に「国会議員=地域代表」との意識が根強い。ただ、総じて選挙区が拡大する中、必ずしも地元から候補者が出るとは限らない。「仮に八戸の候補者だとなじみが薄い。地元の信用が大事。八戸の要望を優先しないか心配だ」と胸中を吐露する。
 三沢市の無職の男性(73)は「地元の意見を国に反映させられるかどうかが判断基準」と語る。地域の課題を熟知し、国に対して発言力のある人を選ぶ考えだ。
 一方で、候補者の主張を重視するとの声もある。十和田市の会社員の女性(49)にとって、最も関心があるのは「子育てなど身近な生活に役立つこと」。あくまで政策を見極めるスタンスだ。
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 「自分なりに考えが理解できる人に投票してきた。でも、なじみがない人が出てきたら、よく分からない」。八戸市の市臨時職員の女性(26)は、選挙のたびにテレビや新聞で情報を集め、1票を投じてきた。
 自分たちの声が政治に届いているという実感は薄いが、地方の声がなくなれば困るとの思いから、投票所に足を運び続けている。
 しかし、今回の区割り改定では、全国的にも多くの地域が分断された。格差是正を大義とした「パズルの組み合わせ」のようにも映る。どういう基準で候補を選べばいいのか不安が拭えない。
 選挙区の見直しが、結果として有権者の政治離れを助長し、投票率の低下が加速する―。そんな“負の連鎖”への懸念がくすぶる。

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