政のカタチ 青森から見る「0増6減」:第2部 「変わる“地元”」(3)分断(2017/04/24)
デーリー東北

政のカタチ 青森から見る「0増6減」
第2部 「変わる“地元”」

 衆院選挙区画定審議会(区割り審)が19日、小選挙区定数を「0増6減」する区割り改定案を安倍晋三首相に勧告した。選挙区が変わることを、有権者はどのように受け止め、行動しようとしているのか。

(3)分断(2017/04/24)

新たな区割りで選挙区が分断される上北郡。有権者からは戸惑いの声が聞かれる=20日、野辺地町の中心街
 「まさかり」と称される下北半島。その柄の部分に当たる上十三地域を東西に分断する線が引かれた。
 「上北に住む人々が、まとまって投票できなくなったことで、生活にどんな影響があるか分からないが、戸惑いは大きい」。七戸町の自営業の男性(61)は率直に語る。
 衆院選挙区画定審議会の区割り案は、現在の青森2区を分割。上北郡は北部の野辺地、横浜、六ケ所の3町村が青森市を中心とした新1区に、南部の七戸、六戸、東北、おいらせの4町が八戸市などと構成する新2区になる。
 現2区には人口10万人以上の都市がない。選挙区を4から3に削減する中で、有権者が多い青森、八戸、弘前の県内3市の存在を考えると、当初から再編の軸となると見込まれていた。
 住民のつながりが深く、地域活性化や農業振興といった課題も共通していながら、郡内に生まれた“境界線”。「できれば同じ選挙区のままが良かった」「もし地元から候補者を選べなくなるとすればどうなるのか」。困惑の声が絶えない。
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 「1票の格差」を是正する必要性は理解できるが、地域性に配慮する手法はないのか―。そう訴える有権者は多い。
 野辺地町の自営業の男性(48)は「生活圏は十和田、三沢に近いのに、選挙の時だけ別々になるのは変な感じだ」と首をかしげる。六ケ所村の会社員の男性(35)も「家族で普段遊びに行くのは三沢。津軽ではなく、同じ県南の選挙区から出た候補を応援したい」と複雑な心境を明かす。
 新たな区割りは人口が多い県内3市を中心に再編された。選挙区が拡大することで、上北郡内の有権者が懸念するのは地域の“埋没”だ。
 県内最大の票田・青森市と同じ新1区となる横浜町。漁業の男性(53)は「選挙となれば、青森市の票の動きで大勢が決まるはず。規模の小さい町村の声は国政に届きにくくなるのでは」とみる。
 東北町の自営業の女性(78)も同様の受け止め方を示す。八戸市などからなる新2区に組み込まれることについて、「候補者は上北より三八のことばかり気にするようにならないか」と危ぶむ。
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 現2区の中核・十和田市は、現職を含めて地元から候補者が出ることが多かった。「上十三の商工団体と首長は、道路整備などで国への要望を一緒に続けてきた。地域が分断されると、代議士を通じ地元の意見をこれまでのように反映できるか心配」。商工関係者の男性は表情を曇らせる。
 政治と地域の結び付きに影響が及ぶことへの危機感が聞かれる一方で、三沢市の会社役員の男性(65)は「区割りには興味がない」と断言する。政治に必要なのは、あくまでも実行力だと考えるからだ。
 同市の無職の男性(73)は「北朝鮮の問題など、有事になれば三沢は一番先に危険にさらされる。平時から自衛隊の大切さも理解していてほしい」。米軍基地や空自を抱える特殊事情を訴える。
 区割りの見直しは、有権者の政治への関わり方にも変化を与えるのだろうか。

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