政のカタチ 青森から見る「0増6減」:第3部 「政治の思惑」(1)2人の“大物”(2017/06/07)
デーリー東北

政のカタチ 青森から見る「0増6減」
第3部 「政治の思惑」

 衆院の区割りを見直す公選法改正案は9日に成立する。新区割りは7月16日にも施行される見通しだ。青森県内の政治関係者の動きを追った。

(1)2人の“大物”(2017/06/07)

八戸市の集会で隣り合わせた大島理森氏(右)と江渡聡徳氏。新2区の候補者の焦点となる=5月20日、八戸市
 「新2区は大島代議士が中選挙時代に勝ち抜いてきた、いわばなじみの土地。何も心配ございません」
 5月20日、八戸市内で開かれた自民党市支部の定期大会。滝沢求参院議員は、来賓として並ぶ大島理森衆院議長の隣で言い切った。
 衆院の区割り改定に伴い、青森県内の小選挙区は4から3に削減される。現職4人を抱える自民の候補者調整では、選挙のたびに小選挙区と比例で入れ替わる「コスタリカ方式」も選択肢の一つとされる。
 新2区は現在の3区と2区の一部で構成。閣僚や党の要職を歴任して衆院議長になった3区の大島氏、元防衛相で県連会長を務める2区の江渡聡徳氏といった“大物”も調整の俎上(そじょう)に載る。
 両氏の周辺が神経をとがらせる中、大島氏は小選挙区で―と踏み込んだ滝沢氏。市支部幹部は「三八議員のほとんどが同じ思いだ。議長が決断しやすい雰囲気をつくっていくことも重要」と発言の意図をひもとく。
 一方、江渡氏を支えてきた上十三地域の議員の多くは新2区への擁立を熱望する。ある十和田市議は「ずっと応援してきた。仮に八戸周辺で票が伸び悩んだとしても、上十三は盤石なので心配ない」と青写真を描く。「党の情勢分析でライバルを引き離して勝つ公算があれば、大島氏が比例に回る可能性もある」と鼻息が荒い。
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 青森は特殊な環境―。自民関係者は候補者調整に苦心する現状をこう指摘する。区割り改定で小選挙区数が削減される6県のうち、全選挙区を自民が独占しているのは青森と熊本のみ。現職が選挙区に強固な組織を築いているだけに、ハードルは高い。
 各選挙区の候補者は最終的に党本部が決める。過去の実績、党への功績、年齢、選挙区事情など、さまざまな観点から検討するとみられる。ただ、全ての関係者が納得できるような評価を下すのは難しく、三八地域の県議は「国会議員同士が話し合って決めるしかないだろう」と語る。
 今月1日には、1区の津島淳氏が東京都内で江渡氏と会談。2区の下北地域と青森市などからなる新1区に出馬したい意向を伝達。水面下での駆け引きも始まっている。
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 候補者調整を巡る思惑が交錯する中、自民関係者が気に掛けるのが昨夏の参院選の結果だ。自民現職だった山崎力氏は郡部などの票をまとめたものの、民進党新人の田名部匡代氏に八戸市で大敗し、涙をのんだ。
 ある市議は「八戸の有権者は政党ではなく、地元の人を選んだ。(八戸が地盤ではない)江渡氏では勝てないということだ」と持論を展開。場合によっては、民進が参院の田名部氏を新2区に回してくる可能性もある―と危機感を強める。
 5月20日の市支部大会。滝沢氏の“エール”を眉一つ動かさずじっと聞いていた大島氏は、直後の講演で「党本部に私の意見を申し上げる場が来たら申し上げたい」。江渡氏も同じ日に青森市で開かれた県連の会合後の会見で「4人が必ずバッジを着ける形を目指す」と述べるにとどめ、多くを語らなかった。
 注目の2人は同日夜、八戸市での集会で肩を並べた。関係者への気遣いか、それとも互いを意識したのか、あいさつでは区割りの話題を封印した。

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