政のカタチ 青森から見る「0増6減」:第3部 「政治の思惑」(2)危機感(2017/06/08)
デーリー東北

政のカタチ 青森から見る「0増6減」
第3部 「政治の思惑」

 衆院の区割りを見直す公選法改正案は9日に成立する。新区割りは7月16日にも施行される見通しだ。青森県内の政治関係者の動きを追った。

(2)危機感(2017/06/08)

むつ市で街頭演説する民進党の升田世喜男衆院議員。新たな区割りを見据え、売り込みに懸命だ=5月20日
 「私も半島の端っこで生まれた。(下北地域の住民と)同じ境遇で育っている。だからこそ国会で訴えられることがある」
 5月20日。民進党の升田世喜男衆院議員(比例東北)は、次期衆院選から青森1区となる下北地域の中核・むつ市の中心部で声を張り上げた。
 下北は自民党の“牙城”だ。地盤とする国会議員を頂点に、3議席を独占する県議、系列の首長、市町村議が連なる。
 県内小選挙区の区割り見直しに伴い、升田氏の新たな主戦場となる下北。ただ、現1区の津軽地方を中心に活動を展開してきただけに、陸奥湾を挟んで出身地の対岸にある半島は、なじみが薄い。
 4月に区割り改定案が勧告されてから、週末を中心に下北へ足を運び、5月末までに5市町村を一巡。党の政策の浸透と、顔の売り込みに躍起だ。
 20日の街頭では「津軽の生まれ。最果て小泊出身」と自己紹介し、「与党ではないので予算を付ける力はないが、皆さんの声は代弁できる」。安倍晋三首相の政権運営への批判を展開しながら、“有権者との近さ”をアピールした。
 この日は土曜日。買い物客が多かったとはいえ、次期衆院選の見通しが立っていないこともあってか、立ち止まって演説に耳を傾ける有権者は少なかった。対照的にマイクを握る手に力を込める升田氏の“選挙モード”に、強い危機感がにじんだ。
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 新しい区割りで、現1区の五所川原市と北郡(板柳町、鶴田町、中泊町)は、弘前市を中心とする新3区に組み込まれる。旧小泊村議3期、県議2期(当時の北郡選挙区)を経て国政に転身した升田氏の支持者が多い地域で、まさに死活問題だ。
 2014年の前回衆院選の得票を見ると、小選挙区で当選した自民・津島淳氏の6万6千票余に対し、升田氏は6万2千票余。青森市と東郡は津島氏が上回ったが、五所川原市と北郡は全市町で升田氏が勝利した。
 “消える地元”に懸念は募る。減票分をカバーするため、下北と同様に新1区となる青森市浪岡地区では、非自民系の無所属県議との連動を模索する。
 一方、現職4人の候補者調整が必要な自民に対し、民進は既に内定しているため「自民党が動けない間に早めに動ける」(民進関係者)との声も。陣営は県内一の票田である青森市はもちろん、下北など新たに選挙区となる地域で、いかに票を上積みできるかが鍵とみる。
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 民進県連にとって升田氏は唯一の衆院議員で、議席死守は命題。昨年の参院選では、衆院からくら替えした田名部匡代氏が野党統一候補として国政に返り咲いており、その勢いを次期衆院選にもつなげたい考えだ。
 ただ、参院選で勝利したとはいえ、党勢回復の兆しはなかなか見えず、“自民1強”の流れは変わっていない。民進の県議は現在4人。全員が三八地域に偏っており、県内を見渡した場合、特に下北や津軽の基盤が脆弱(ぜいじゃく)なのが現状だ。
 県内全域での組織構築は、非自民の受け皿となり得るために長年の課題とされてきた。新区割りも見据え、田名部定男代表は「組織を強化し、地道に政策を訴えていく」と強調する。

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