政のカタチ 青森から見る「0増6減」:第3部 「政治の思惑」(3)埋没への懸念(2017/06/09)
デーリー東北

政のカタチ 青森から見る「0増6減」
第3部 「政治の思惑」

 衆院の区割りを見直す公選法改正案は9日に成立する。新区割りは7月16日にも施行される見通しだ。青森県内の政治関係者の動きを追った。

(3)埋没への懸念(2017/06/09)

原子力施設が集中立地する下北半島。さまざまな地域特有の課題を抱える中、政治関係者は大きな選挙区内での埋没を懸念する(写真は東北電力東通原発)
 下北から国会議員を―。むつ市を中心とした下北地域で、国政選挙が近づくたびに語られる言葉だ。
 衆参いずれの国会議員も輩出したことがない本州最北の地。これまで地域の課題に精通する国会議員とパイプを築き、現職も政策の実現に奔走してきた。
 一方で、地域の思いを直接、国政に伝え、汗をかく議員が地元にいれば、豊かさにつながる―との期待も抱く。背景にあるのは地域振興の現状に対する不満だ。下北縦貫道の整備などが思うように進展していないのに、八戸市など他の地域では国の事業がスムーズに進捗(しんちょく)しているように映る。
 「昔から政治力の弱さが地域力の弱さにつながってきた」。むつ市議の一人は、下北出身の有力議員誕生に願いを込める。
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 衆院小選挙区の区割り見直しにより、下北は陸奥湾を囲む形で線引きされた新1区に組み込まれた。県内最大の票田・青森市と同じ選挙区になることから、地域が埋没するとの危機感が広がる。
 “地域格差”に対する懸念は、上十三地域と同じ枠組みの現2区でもあった。まして新1区は県都を抱え、これまでも各党がこぞって候補者を擁立する激戦区。不安はより強い。
 ある政治関係者は、新1区に出馬する候補者の照準が、有権者が下北の4倍近い青森ばかりに向く可能性を指摘。「下北はぞんざいに扱われる場所になりかねない」と漏らす。
 県都を足場に選挙戦術を考えた場合、新1区の“未開の地”である下北が勝敗の鍵を握るケースも想定される。ただ、票の行方だけで注目を受けるのは本意でない―というのが地元関係者に共通する認識だ。
 「別の地域の候補者であるならなおさら、下北に目を配るという安心感がなければ、簡単には受け入れられない」(東通村議)との思いは強い。あるむつ市議も「単なる草刈り場となる。地元の成長を、事情をよく知らない候補に託すのも心もとない」と憂う。
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 加速度的に進行する高齢化と人口減少に加え、半島という地理的な特性があり、原子力や防衛など国策との関わりが深い重要施設が数多く立地する下北。他地域と異なる、多くの政策的な課題を抱える。
 「支持の有無で利益誘導する議員はいずれ淘汰(とうた)される。全地域から支持を受け続ける候補がその職を担うだろう」
 下北地域の首長のリーダー的役割を担う宮下宗一郎市長は、求められる候補者像を指摘。その上で「下北の特殊性を抱擁できる、政策にたけた候補が長期的に役割を果たすことが望ましい」とし、有権者にも「地域の代表と国の代表を選ぶという視点が重要だ」と呼び掛ける。
 一方で、“下北の悲願”である地元出身の国会議員は誕生するのか。宮下市長に対しては、国土交通省勤務などの経歴、30代という若さと行動力に一部から待望論も上がる。本人は「市長の任期を全うする」と強調するものの、将来的に国政に挑戦する可能性は否定していない。

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