政のカタチ 青森から見る「0増6減」:第3部 「政治の思惑」(4)掘り起こし(2017/06/10)
デーリー東北

政のカタチ 青森から見る「0増6減」
第3部 「政治の思惑」

 衆院の区割りを見直す公選法改正案は9日に成立する。新区割りは7月16日にも施行される見通しだ。青森県内の政治関係者の動きを追った。

(4)掘り起こし(2017/06/10)

1993年まで衆院選で導入されていた中選挙区(左)と、今回の区割り改定後の衆院選の新たな選挙区
 衆院の区割り見直しに伴い、青森県内の小選挙区は4から3に削減される。青森市や下北などの1区、三八や上十三からなる2区、弘前市を中心にした津軽一円の3区だ。
 いずれも従来より選挙区の範囲が拡大。塗り替わる地図をにらみながら、小選挙区制度が導入される前に1993年まで続いた中選挙区のイメージを重ねる政治関係者は多い。
 現在の小選挙区は1議席を争うサバイバルで、政党対決が色濃い。一方、2選挙区で、それぞれ複数の議席を争った中選挙区では、政治家個人も独自に選挙区内に網を張り巡らせ、同じ政党の候補者ともしのぎを削った。
 かつて県政界の主役だった先人が築いた“中選挙区の遺産”は、いまだ県内各地に残る。区割り見直しの対応に迫られる当事者らは、そこにも活路を見いだそうとしている。
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 現3区で民進党公認が内定し、新2区の候補になる可能性が高い工藤武司氏。選挙初挑戦の新人の戦いに向けて陣営が期待するのが、かつて非自民勢力を率いた田名部匡省氏の支持者だ。
 田名部氏は参院議員として政治生活を終えたが、衆院議員だった中選挙区時代は上北、下北にも厚い支持基盤を築いていた。次女の匡代氏が出馬した2016年の参院選でも、上十三で自民党現職に迫る票を獲得するなど、影響力は根強い。
 民進のある八戸市議は「参院選は上北・下北で匡省さんの元支持者らが奮闘し、勝利につなげた。工藤氏も匡省さんの組織を頼りに基盤づくりを進めるしかない」と指摘する。
 現1区選出の自民・津島淳氏は、次期衆院選で新1区からの出馬を目指す。新たに選挙区に加わる下北地域は未開の地だが、中選挙区時代に元衆院議員の父・雄二氏が活動していた。津島氏に近い県議は「下北には雄二氏を熱心に応援してくれた議員が残っている。父親が残した人脈や組織を足掛かりに支持を広げる」と青写真を描く。
 現職で唯一、中選挙区を経験しているのが現3区の自民・大島理森氏。八戸市支部幹部は「2区の江渡聡徳氏と大島氏の支援組織は重なっている。十和田や三沢が加わる新2区の戦いは全く問題ない」と強調する。
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 政治関係者が秋波を送るとはいえ、中選挙区時代に政治活動に熱心だった関係者は多くが高齢になっており、必ずしも確固たる組織として機能しているわけではない。
 工藤氏陣営の民進市議からは「まずは本人をもっと売り込まないと。選挙をするのは匡省氏でも匡代氏でもない」と厳しい声も。津島氏が照準を定める下北のある県議は「実際に津島氏の顔を見たり、話を聞いたりしたことがある人は少ない。ライバルの民進候補は既に精力的に下北入りしている」と警戒する。
 いずれも中選挙区時代の財産を生かすのは容易ではない―との認識だ。関係者の支援を仰ぎながら、日々の政治活動を活発化させるなど、新天地で知名度向上を図る戦略を模索している。

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