政のカタチ 青森から見る「0増6減」:第4部 「動き出した新区割り」(上)青森2区(2017/10/04)
デーリー東北

政のカタチ 青森から見る「0増6減」
第4部 「動き出した新区割り」

 「1票の格差」の是正に伴い、4から3に削減された青森県内小選挙区での戦いが始まった。

(上)青森2区(2017/10/04)

新2区の各陣営は事実上の選挙戦に突入している(写真はコラージュ。上は集会で気勢を上げる大島理森氏=右から2人目。中は記者会見で希望の党への公認申請を表明する工藤武司氏=左。下は街頭演説で浸透を図る奥本菜保巳氏=左)
 衆院の解散風がにわかに強まった9月18日。八戸市柏崎にある衆院議長・大島理森氏の事務所に、自民党市支部や後援会の幹部が招集された。緊張感が張り詰める中、大島氏が口を開く。「新2区に単独で出る」。自民党の懸案だった候補者調整が事実上、終結した。
 新2区を構成する旧2区の十和田市や三沢市、上北郡などを地盤としてきた江渡聡徳氏は比例へ。青森市とむつ市などの新1区には「コスタリカ方式」を導入し、選挙ごとに小選挙区と比例で候補が入れ替わる。
 自民は強固な組織を生かし、前回衆院選で獲得した4議席の確保を狙う。しかし、調整の過程では八戸、十和田、青森の各支部が地元から国会議員を輩出するため、水面下で激しい綱引きを展開。溝を埋める大きな課題も背負う。
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 9月下旬、八戸市内で自民の三八、上十三両地域の“実動部隊”が初めて顔を合わせた。大島氏は「中選挙区時代に育てていただいた皆さんに恩返しをしたい」と決意表明。出席者が団結を確認した。
 だが、会場を後にする上十三関係者の表情は硬かった。ある支部長は江渡氏が今後、新1区に地盤を移すことに触れ「約20年前、やっとの思いで地元に国会議員が誕生し、大事に育ててきた…。こんなにつらいことはない」と漏らした。
 複雑な胸中を察してか、同月30日に八戸市内で開かれた大島氏のパーティーは、まさに「融和」が前面に。江渡氏が「大島さんが国政に戻ることが、私たちにとって最高の形」と強調すると、大島氏も「江渡さんの志を継ぐ。そして比例票を伸ばし、何としても当選してもらう」と応えた。
 「上十三には相当気を使っている。協力してほしい、と低姿勢でいく」「時間をかけて打ち解けるしかない」。八戸市支部の幹部は腐心する。
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 旧3区で長らく大島氏と対峙してきた民進党・田名部匡代参院議員の後継として、初の選挙戦に挑む新人の工藤武司氏。相手が12選を目指すベテランに決まったことを、「想定内」と冷静に受け止める。
 ただ、公示が迫る中、自身の周辺は騒がしい。衆院解散と前後して、所属していた民進と、小池百合子東京都知事が立ち上げた希望の党の「合流」が加速した。今月2日に新党の理念に共感できるとして、希望から出馬する考えを表明。翌日、希望の公認が決まる慌ただしさだ。
 くすぶる自民批判票の受け皿として、二大政党の一翼として、新党がもたらす“風”に一定の期待感はある。一方で、支援を仰がなければならない民進系議員や田名部氏の支持団体と、新党との“距離感”をつかめていないのも現状だ。
 野党再編は選挙戦にどのように作用するのか。「今のところ図り知れぬところがある。そういう意味では全てが手探りだ」と率直に語る工藤氏の表情には、高揚感と不安が交錯する。
 新人の奥本菜保巳氏を擁立する共産は、「ぶれない野党」を主張。自民に批判の矢を向けるだけでなく、新党も「自民の補完勢力」と切り捨てる。
 しかし、選挙態勢の構築には不安もある。中核を担う八戸市の組織が、衆院選と投開票日が重なる市長選の対応に追われているからだ。広くなった選挙区で、党の政策の浸透を図る方策を探っている。

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