政のカタチ 青森から見る「0増6減」
デーリー東北

政のカタチ 青森から見る「0増6減」
第3部 「政治の思惑」

 衆院の区割りを見直す公選法改正案は9日に成立する。新区割りは7月16日にも施行される見通しだ。青森県内の政治関係者の動きを追った。

(5・完)混迷(2017/06/11)

昨年の参院選で共闘した青森県内の野党。争いの激化が見込まれる比例の戦いを重視する思惑もあり、次期衆院選での連携は不透明だ=2016年7月
 改正公選法により、衆院の定数は青森、岩手両県などの小選挙区のみならず、比例代表も削減される。各政党は議席確保や党勢拡大に向け、いかに存在感を打ち出していくのか腐心することになる。
 東北ブロックの定数は現行の14から13になる。比例の戦いに重きを置く公明、共産、社民など各党の議席争いが激しさを増すのは必至だ。さらに、環境の変化は各党独自の戦略だけでなく、与野党の連携にも影を落とす。
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 「(東北ブロックの)1減は極めて厳しい」。井上義久幹事長ら現有2議席の確保を最重要課題に掲げる公明。党青森県本部の伊吹信一代表は危機感を募らせる。
 懸念材料は比例の定数減だけではない。県内の小選挙区が4から3に削減されるのに伴う自民党の候補者調整では、現職4人のうち1人が比例に回る公算が大きい。野党だけでなく、与党のパートナーですら大きなライバルになる可能性がある。
 自公連立内閣は15年以上に及ぶ。これまで国政選挙では「小選挙区は自民に、比例は公明に」と連携してきた。新区割りの下で、新しい“すみ分け”をどうするのか。具体的な協議はこれからだ。
 伊吹氏は「自らの党勢拡大があって初めて選挙協力の効果が発揮される」と強調し、公明の立場にも理解を求める。まずは自民の調整の行方を注視する構えだ。
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 共産は現職の高橋千鶴子衆院議員の議席死守に加え、2議席獲得も視野に入れる。既に決定していた4人の小選挙区候補者を3人に絞り込んだ上で、小選挙区と比例を連動させた戦いを展開する考えだ。
 現在、比例の議席を持たない社民。八戸市を中心とした新2区への候補者擁立を模索する。共産と同様に、小選挙区で浸透を図り、比例票の上積みにつなげようともくろむ。
 両党の県連幹部は「“自民1強”を打破するためには野党共闘が必要」と強調する。4月には民進、自由の4党で原発ゼロ、就学前から大学までの教育費の原則無料化など、次期衆院選の公約に反映させる「共通見解」もまとめている。
 一方で共産、社民は小選挙区への独自候補擁立の構えを崩していない。非自民勢力の軸となる民進を中心に候補者調整が進んだ場合、それぞれの党の主張が埋没しかねないとの懸念もくすぶる。
 野党連携に関して、共産県委員会の畑中孝之委員長は「まずは党本部同士の話し合いがあってから進む話」。社民県連の三上武志代表は「比例代表だけの戦いでは有権者に訴えにくい。比例のためにも小選挙区に候補者を出したい」。共に前向きな姿勢を示しながらも、微妙な距離を置く。
 元々、野党間では、次期衆院選の争点とみられる憲法、青森に関わりが深い原子力など、政策的な隔たりが大きい。
 比例の戦いを重視する党内事情から根強い“主戦論”。民進関係者も「参院選とは性質が違う」と見る。野党連携の行方は、各党の思惑も絡んで混迷の色を濃くしている。

政のカタチ アーカイブ

第1部 「1票の価値」

 1票の格差是正に向け、「衆院選挙区画定審議会」は月内にも新たな区割り案を首相に勧告する。人口比例に基づく見直しによって、地方の議席は減り続けるのか。変わる「政(まつりごと)のカタチ」。その周辺を探る。

第2部 「変わる“地元”」

 衆院選挙区画定審議会(区割り審)が19日、小選挙区定数を「0増6減」する区割り改定案を安倍晋三首相に勧告した。選挙区が変わることを、有権者はどのように受け止め、行動しようとしているのか。

第3部 「政治の思惑」

 衆院の区割りを見直す公選法改正案は9日に成立する。新区割りは7月16日にも施行される見通しだ。青森県内の政治関係者の動きを追った。

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