まつり再考:第1部(2)【“夏”の代償】後継者不足の要因に(2016/10/16)
デーリー東北

八戸三社大祭 まつり再考
第1部 開催日程

(2)【“夏”の代償】後継者不足の要因に(2016/10/16)

八戸三社大祭の開幕を約1週間後に控え、大詰めを迎えた山車制作現場。現行日程になった結果、子どもが制作に携わる機会が減った、との声が聞かれる=2016年7月23日
 「子どもが山車小屋を訪れ、大人と一緒に制作する機会が少なくなった」
 幼い頃から八戸三社大祭の山車制作に携わってきた山車絵師の夏坂和良さん(57)。7月31日〜8月4日の現行日程を後ろにずらしたい―と主張する一人だ。
 現在の日程では、山車制作の中心期間に夏休みが重なることはほとんどない。結果として、子どもたちに山車作りの技術や楽しさを伝える時間が大幅に減り、後継者不足につながったと考えている。
 「このままでは将来、制作者の担い手がいなくなってしまうのではないか」。夏坂さんと同様の危機感を抱く山車組関係者は決して少なくない。
◇     ◇
 夏坂さんが子どもの頃、祭りの日程は盆すぎの8月20〜23日だった。夏休みになると山車小屋に入り浸り、大人たちの作業を熱心に見学。制作者と関わりながら、知らず知らずのうちに技術を学んだ。他の町内の小屋を巡り、どんな山車を作っているのか見に行くことも多かった。
 八戸市内の小中学校が夏休みに入るのは7月下旬。現行日程では、各山車小屋での制作が大詰めを迎える時期で、大人は仕上げの作業に大忙しだ。このため、「興味を持って夏休みに山車小屋を訪れてくれた子どもがいたとしても、指導できる十分な時間を取ってあげられない」という。
 山車小屋で手伝いから始めた子どもが大人になり、制作者として山車組を支えていく―。こうした伝承のサイクルが途絶えれば、三社大祭を後世へつなげていくことも不可能になる。
 「昔は小屋へ行って制作を手伝ったりするのが楽しかった」「山車作りの過程を今の子どもたちにも見せてあげたい」。本紙が今夏から実施したアンケートでも、こんな思いを寄せた山車組関係者は多く、日程を繰り下げる議論の要因の一つになっている。
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 本来は秋祭りだった三社大祭が夏に移行したことで、山車組関係者は毎年、暑さ対策にも気をもんでいる。
 8月1日のお通りと3日のお還(かえ)りは真夏の日中に行われ、時には炎天下となることも。子どもが熱中症にならないよう、各山車組は氷水やおしぼりを準備。周囲の大人が常に飲料水を用意し、子どもに小まめに飲ませる光景が随所で見られる。
 「子どもの参加が多い祭りなのに、強い日差しの中で山車を引かせるのはかわいそう。どの山車組も最大限配慮しているはずだが、いつ何が起きてもおかしくない状況だ」
 六日町附祭若者連の責任者を務める田端隆志さん(62)はこう力を込めた上で、「子どもの安全を考える上でも、以前の秋祭りらしい日程に戻していいのではないか」と主張する。

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