まつり再考:第1部(4)【議論本格化へ】観光資源か 文化財か(2016/10/18)
デーリー東北

八戸三社大祭 まつり再考
第1部 開催日程

(4)【議論本格化へ】観光資源か 文化財か(2016/10/18)

関係団体や市民などから日程に関する意見を集める方針を決めた、八戸三社大祭運営委員会の正副会長会議。議論は今後さらに本格化する見通しだ=17日、八戸商工会館
 「現行のままがいい人も、変えた方がいいと思う人もいらっしゃる。いま一度、日程の在り方について意見を聞きたい」
 17日、八戸市の八戸商工会館で開かれた八戸三社大祭運営委員会の正副会長会議。運営委の大黒裕明会長は冒頭のあいさつで、日程を巡る議論を各関係団体でさらに深めるよう呼び掛けた。
 その後は非公開。会合後に出席者に取材すると、それぞれの立場からさまざまな声が寄せられた。
 山車組関係者で組織するはちのへ山車振興会の小笠原修会長は、「山車組内でも多様な意見があるが、人口減少社会の中で地域の祭りを継続するにはどうすべきか、という問題意識は一致している」。現在の日程になった経緯などもしっかりと踏まえた上で、話し合いを進める考えを示した。
 八戸商工会議所の河村忠夫副会頭は「ユネスコ無形文化遺産登録に向けて議論するのはタイミングとして悪くない」と強調し、「商議所としてはやはり、祭りを観光資源と捉えている。どれぐらい人を呼び込めるか、との視点も必要ではないか」と続けた。
   ◇    ◇
 この日、議論にひときわ強い関心を示したのが、三社大祭発祥の神社である〓(おがみ)神社だ。
 坂本守正宮司の代理として会合に出席した権禰宜(ごんねぎ)の坂本博史さん(38)は、神社のホームページを使って独自に実施した、三社大祭に関するアンケートの結果を紹介。祭りを知っているかどうかを問う項目で、「知らなかった」が68・5%に達したことなどを出席者に報告した。
 博史さんは取材に「三社大祭は、神輿(みこし)に神様を乗せて運行する神事。その前提は変えるべきではない」と主張。
 日程に関しては「地域や文化のために動かすのか、観光振興に重きを置くかを含めて多角的に考える問題。より良くなるために日程が変わるのであれば賛同するし、そうでなければ反対する」と力を込めた。
◇    ◇
 「八戸の経済の広がりと共に発展してきた三社大祭を、文化財として考えるようになったのは決して古い歴史ではない」。市教委職員時代、国の重要無形民俗文化財の指定を目指して文化財調査に携わった工藤竹久さん(65)は、こう指摘する。
 重文指定を受けたのは、現行日程になって22年後の2004年。これが祭りの文化的価値を見直す契機となり、現在のユネスコ登録に向けた動きにもつながったという。
 文化的観点に立った場合、日程変更の議論はどう進めるべきか。工藤さんは主張する。
 「文化財としての祭り本来の在り方は、秋の開催が理想的。ただ、現在の日程が30年以上も定着した現実を踏まえ、丁寧に議論する必要がある」
(第1部終わり)

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