まつり再考:第2部(2)【秩父夜祭ルポ(下)】祭りがつなぐ地域社会(2016/12/25)
デーリー東北

八戸三社大祭 まつり再考
第2部 無形文化遺産登録

(2)【秩父夜祭ルポ(下)】祭りがつなぐ地域社会(2016/12/25)

秩父夜祭の大祭から一夜が明けた市内では、各町内の収蔵庫で山車の解体作業が進んでいた=4日、埼玉県秩父市
 2日間にわたって街中が熱気に満ちた埼玉県秩父市の秩父夜祭(よまつり)。大祭から一夜明けた4日、市内は観光客の姿もまばらで、落ち着いた雰囲気を取り戻していた。
 出番を終えた屋台や笠鉾(かさほこ)は、それぞれ町内の収蔵庫に戻され、引き手となった青年らが黙々と解体作業に励んでいた。国の重要有形民俗文化財に指定されているこれらの山車は、毎年大切に保管され、祭りの期間が近づくと再び組み立てられる。
 このうち、市中心街にある「中町」を訪ねると、数十人の大人たちが収蔵庫に集まり、高さ約6メートルに及ぶ「中町屋台」の木組みや装飾を外していく作業が手際よく進められていた。
 少し離れた場所からその様子を見守っていたのは、無形文化遺産の登録に向けて事務局となった市教委文化財保護課の中野茂課長。「登録直後ということもあり、祝賀ムードの中での開催となった。吉報を待ち続け、長らく緊張状態が続いていたが、滞りなく終了できた」と、ほっとした表情を浮かべた。
 登録までの過程で、祭りが地域に果たす役割を再認識したという。「地元住民の熱意に支えられ、コミュニティーをつないできた。行政は少しの手伝いしかできないかもしれないが、地域一丸となって守っていきたい」
◇    ◇
 中町屋台収蔵庫の向かいには、秩父祭保存会の浅賀克彦会長(72)が暮らしている。組の責任者を務めるなど、曽祖父の代から4代続けて祭りに関わり、仲間たちからは“蔵の番人”と呼ばれる。
 笠鉾や屋台は、くぎを一切使わず、麻で縛ったり、木材を組み合わせたりして作られている。山車の一部には江戸時代から残る彫刻などもあり、組み立てや修復には、人から人に受け継がれてきた特別な技術が必要だ。浅賀会長も、「一年に一つは技術を覚えていこう。そうしないと、一丁前になれないぞ」と組の若者たちに声を掛け、背中を押してきた。
 地域の未来に目を向けると、心配もある。現在、各町内では青年部を組織するなどして、地域内外から参加者を募っている。重く、大きな山車を動かすには、数百人単位の引き手が要るからだ。
 浅賀会長は「息子たちの世代はいいとしても、孫たちの世代にはどうなっているだろうか。人口が減っていく中で、まずは子どもの頃からの“お祭り好き”を育てていかないと」と力を込めた。
◇    ◇
 「近年にない盛り上がりを見せた。週末となった日取りの良さと、ユネスコの効果が重なったからだろう」。当日の運営を支えた秩父観光協会の大谷幾勇専務理事は、過去最高の人出となった祭りを、驚きと共に振り返った。
 有料観覧席約2200席は前日までに完売。マイカーで訪れる人も増え、周辺の道路は例年以上に混雑した。
 大谷専務理事は「誘客は活性化につながる」と、登録を祭りのPRに活用していく考えを示す。同時に「駐車場やトイレ、宿泊施設が足りていないなど、新たな問題も出てきている」と語り、受け入れ態勢の強化を課題に挙げた。

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