まつり再考:第3部(1)【東部終末処理場】近づく使用許可期限(2017/02/22)
デーリー東北

八戸三社大祭 まつり再考
第3部 山車小屋の現状

(1)【東部終末処理場】近づく使用許可期限(2017/2/22)

東部終末処理場の敷地内に並ぶ4山車組の山車小屋。占用許可の期限は2017年度末に迫る=八戸市江陽
 八戸市江陽の下水道処理施設「東部終末処理場」の敷地内には、八戸三社大祭の4山車組が山車小屋を構える。現在は冬季のため小屋はひっそりとたたずんでいるが、春を迎えて祭りが近づくと、制作者が盛んに出入りするようになる。
 入居するのは新荒町附祭若者連、根城新組山車組、下大工町附祭、塩町附祭組。いずれも、以前は同市青葉にあった通称・山車団地で制作していたが、市立柏崎小の移転新築に伴い、2010年からこの場所を暫定利用している。
 東部終末処理場に山車小屋を設置するのはそもそも目的外使用に当たる。このため、山車組からの要請を受けた市は青森県を窓口に、敷地の使用権限を持つ国土交通省東北地方整備局の許可を得てきた。
 これまでに占用許可期間の延長を何度も更新しており、今回の期限は17年度末まで。以降の延長については見通しが立たず、“綱渡り”状態にある。
   ◇    ◇
 「東部終末処理場が使えなくなるとすれば、制作もやめざるを得ないかもしれない。先輩たちがつないできた組の歴史を閉ざすことになれば心苦しいが…」
 下大工町で30年以上にわたり制作者を務めている大畑浩一さん(51)は、苦しい胸の内を明かす。
 町内に山車小屋として使える土地はほとんどなく、あったとしても最&終的に費用面の問題から実現は難しい。小屋が確保できず、移転を繰り返して最終的に東部終末処理場に行き着いただけに、再び制作場所が失われれば組の存続に関わる、との危機感を抱く。
 塩町も同じような状況に頭を抱えている。「制作場所の確保は難しく、土地を借りるにしても賃貸料がかかる」と制作責任者の佐々木一正さん(44)。
 東部終末処理場を出ざるを得なくなった場合を想定し、毎年いくらかずつ資金を積み立てたり、山車の制作費を節約するなどしているが、「そもそも作る場所がなければどうにもならない」と厳しい現実を語る。
   ◇    ◇
 1月25日、八戸商工会館。三社大祭を取り巻く課題を巡り、初会合を開いた祭りの運営委員会企画推進部会は、山車制作場所の確保を最優先で議論することを申し合わせた。東部終末処理場の使用期限が迫っているほか、私有地契約が困難になった山車組も出ていることなどから、「対策を急ぐ必要がある」との意見で一致した。
 各山車組はかつて、地元住民の厚意などにより制作場所を確保してきたが、市街地の発展に伴い、近年はふさわしい場所を探すのが困難に。町内から町外へ、さらには行政の支援を得ながら、移転を繰り返して確保しているのが現状だ。
 「ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されたいま、祭りを保存、継承していくためには、各山車組が安心して安定的に制作できる場所の確保が非常に重要」と中里明光部会長。「場所がないという理由で山車組の歴史を絶やす事態だけは、避けなければならない」と力を込める。

PR

  •  47NEWSは47都道府県52新聞社のニュースと共同通信ニュースを束ねた総合サイトです。
  •  全国の1,300を超えるショップと47都道府県の地方新聞社が一緒になって活動をしています。青森の“おすすめ”はこちらから。
  •  家族や友だちといっしょに記事を読み、感想・意見などを書いて記事とともに応募するこのコンクールは、「思考力・判断力・表現力」を重視する学習指導要領の理念も念頭に置いた企画です。。
  •  共同通信PRワイヤーは共同通信グループのプレスリリース配信サービスです。

  •  広告ビジネスに携わる方々に「新聞」と「新聞広告」の特性をご理解いただくことを目的として運営しています。
  •  自分に合った読み方を診断してみよう。きっと新聞の読み方が変わるハズ?

  •  日本で唯一の「ナショナル・プレス・クラブ」です。人々の「知る権利」に資するジャーナリズム活動の拠点です。