まつり再考:第3部(3)【“地元”にある意義】町内だからこそ結束(2017/02/24)
デーリー東北

八戸三社大祭 まつり再考
第3部 山車小屋の現状

(3)【“地元”にある意義】町内だからこそ結束(2017/02/24)

台車の制作に励む淀山車組の大野素敬さん。安心して制作できる場所が町内にあり、「恵まれた環境」と感じている=10日、八戸市沼館
 八戸市沼館の大型ショッピングセンター(SC)「ピアドゥ」内にある「お祭り工房 淀の館」。2007年7月のオープン以来、淀山車組が制作場所や展示場として利用している。
 SCの運営会社である八戸臨海開発が、地域貢献の一環として地元の山車組に土地と建物を提供した。それまで山車小屋の移転を繰り返し、場所探しに苦労してきた淀にとって、まさに大きな“プレゼント”となった。
 淀の館の誕生から約10年。10日夜に訪れると、山車の台車の制作に励む淀の責任者、大野素敬(もとゆき)さん(49)の姿があった。山車が大型化して以来、台車を一から作るのは淀では初めて。5年前から資金を集め、昨年10月から作業に入った。
 「30年ぐらいは使っていたと思うから、だいぶ老朽化していた。制作者は仕事終わりにここへ通い、休む間もなく作業を進めている」と大野さん。そしてこう続けた。
 「大変な作業ではあるが、安心して制作できる場所が町内にあるからこそ、台車作りにも打ち込める」
   ◇    ◇
 山車の制作場所はかつて、各町内にあった。子どもたちは近所の山車小屋に集まり、お囃子(はやし)の練習に励みながら、大人たちが山車を作り上げていく様子を目で見て育った。
 しかし、現在は多くの山車組が制作場所の確保に苦しむ。山車小屋が町内を離れると、大人の制作者と地元の子どもたちが交流する機会も減り、結果として後継者不足につながっている。
 一方、淀は地元に制作場所があり、お囃子の練習場所も町内に。「どちらも町内にあることで、地元の理解がより深まる。こうした点では、淀は恵まれた環境にある」と大野さんは力を込める。
 加えて、祭り期間中はSCの関係者も参加し、淀の山車を一緒に引っ張る。町内にあるからこそ、地元の企業や住民が協力し、山車組を支える仕組みが機能している。
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 市公園緑地課を通じ、同市長根の下久根公園の一部を借りて山車小屋を構える賣市附祭山車組。常設ではなく、毎年5月ごろに小屋を組み立て、祭りが終わると解体する。
 制作場所を探していた時、地元町内会の協力があって公園を使用できるようになった。町内の近い場所にあるからこそ、近所の人は応援してくれるし、子どもたちは山車小屋を見に訪れる。小屋の前でお囃子の練習もできるため、大人と子どもの交流も生まれる。
 「第一に『何とか地元で制作したい』と考えてやってきた」と委員長の久慈洋輔さん(45)。「もしも町内を離れることになれば、寂しさをすごく感じるだろう」と語る。
 久慈さんは「公園を使える期間は短く、組み立てと解体を毎年繰り返すのも大変」と苦労を明かす一方、「それでも、町内にいることを考えれば現在の場所がベスト」と言い切った。

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