まつり再考:第4部(1)【山車制作・運行】お盆活用 期待と懸念(2017/06/24)
デーリー東北

八戸三社大祭 まつり再考
第4部 日程を考える

(1)【山車制作・運行】お盆活用 期待と懸念(2017/06/24)

豪華絢爛な山車が中心街を練り歩く八戸三社大祭のお通り。日程が変更されると、さまざまな影響が見込まれる(写真と本文は関係ありません)=2016年8月、八戸市
 20XX年の八戸三社大祭の開幕は8月X日。数年前に従来の日程より1カ月ほど繰り下げられた。
 A山車組では5月上旬の大型連休の頃から制作が始まる。7月下旬になると、夏休みに入った子どもたちも加わる。小太鼓や笛のお囃子(はやし)が響く中、山車に載る人形の数も増え、衣装作りや細かな装飾の仕上げが本格化する。
 山車小屋に若者の姿が目立つようになった。お盆休みで、県外で働く若者や大学生が帰省してきたからだ。一方、お盆の行事や親戚との集まりを優先する関係者もいる。
 近づく本番。限られた参加者が力を合わせ、連日、深夜までの追い込み作業が続いた。
◇   ◇
 前夜祭当日。無事に完成した山車を、他の組と共に市中心街でお披露目した。
 そして迎えた「お通り」。夏休み最後の思い出に―と参加した子どもの笑顔がはじける。この年は連日30度を超える猛暑となったが、ようやく暑さのピークも過ぎ、熱中症の心配はなさそうだ。
 一方、「お還(かえ)り」は前日までの穏やかな天候から一転し、突然の雨に見舞われた。大事な山車の装飾や人形に気を配りつつ、雨にぬれながらの行列は一苦労だ。
 それでも、後夜祭までの5日間が無事に終了。山車組関係者は充実感に浸った。
 運行を終えた山車は、直後に開かれたB町の秋祭りに台車ごと貸し出した。今年の山車で使わなかった人形や衣装も、別のC町へ。何十年も前から続いている。
 ただ、近年は三社大祭の日程変更に伴い、近隣町村からの打診が以前にも増して少なくなった。「昔はもっといろんな祭りに貸し出していたが…」。年配の制作者がしみじみと語った。
◇   ◇
 三社大祭の日程が8月下旬から9月上旬に変更された場合、山車制作の期間が長くなり、夏本番の行列に比べ参加者の負担が少なくなるといったメリットがある。一方、お盆中のスタッフの確保、周辺の秋祭りへの影響などが課題とされる。
 祭りの準備がピークを迎えるお盆の捉え方は、山車組関係者の間で異なる。「帰省中の若者や学生が制作に参加できる」「会社の休みの時期と重なって良い」との声がある反面、「お盆は行事があって忙しい。祭りどころではない」と指摘し、むしろ参加者の減少を懸念する制作者もいる。
 炎天下での行列に関しては「子どもの熱中症が心配だ」(山車組関係者)という意見が観客の市民からも漏れる。ただ、過去の気象データを見ると、8月中旬以降は比較的に雨天の割合が高い。山車運行の支障となったり、市民や観光客の出足が鈍くなったりすることも想定される。
 本番の運行を終えた山車の一部は、その後に近隣で開催される山車祭りに貸し出してきた。日程が変更されれば、八戸の山車組にとって貴重な収入源となってきた貸借料が失われる事態や、周辺市町村が自前の山車を増やしたり、期間の変更を余儀なくされたりするケースもありそうだ。
 九戸村の「九戸まつり」(8月17〜19日)は、運行する3台の山車全てを八戸から借り受けている。村総務企画課は「日程を含め、何らかの対応を検討しなければならなくなる」と思案する。

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