まつり再考:第4部(2)【後継者育成】子ども参加 方策模索(2017/06/25)
デーリー東北

八戸三社大祭 まつり再考
第4部 日程を考える

(2)【後継者育成】子ども参加 方策模索(2017/06/25)

熱心にお囃子の練習に励む子どもたち。山車制作に興味を持ち、後継者となる人材を育てようと、関係者は模索を続ける(写真と本文は関係ありません)=2015年7月、八戸市
 「自分が子どもの頃は、夏休みに小屋に通って、山車づくりの楽しさを知ったのだが…」。吹上山車組で制作者を務める豊嶋伸一さん(48)は、若者の参加者が減っている現状に強い危機感を抱く。
 「中学生以上になると忙しい子も増えるので、どうしても来てくれなくなる」。いかに山車制作に興味を持ってもらい、伝統を受け継いでいくのか―。その方策を模索し続けている。
◇    ◇
 八戸三社大祭の開催時期を巡る議論が活発化している要因の一つに、「後継者不足」の問題がある。
 八戸市内の多くの小中学校は7月下旬に夏休みに入る。授業や部活動に忙しい平日に比べ、子どもたちが山車小屋に足を運びやすくなる。
 ただ、その時期は祭りの開幕を目前に控え各組とも最後の仕上げで大わらわ。子どもに丁寧に山車づくりを指導するのは難しい。祭りは地域との関わりを学ぶ機会でもある。山車組関係者のみならず、教育現場からも、伝統が途絶えることへの懸念が聞かれる。
 仮に祭りの日程を8月下旬から9月初旬に変更した場合、山車づくりの中心となる時期は7月下旬ごろとみられる。7月下旬から8月下旬までの約1カ月間としている、市内小中学校の夏休みと合致する。
 「若者が祭りの準備に参加できる環境を整える必要がある」。ある教育関係者は開催時期を変更する意義を強調する。一方で、子どもの余暇の過ごし方は多様化しており、日程変更が必ずしも参加者の増加につながるとは言い切れない。
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 八戸市連合PTAの石橋伸之会長は、日程変更によって、祭りに関わる子どもが増えることに期待する1人だ。
 観光客誘致などの経済効果の取り込みを狙いに、長年にわたって続いている現行日程には理解を示す。ただ、祭りに参加する子どもが年々、少なくなっている現状を憂う。
 「今は下校してからお囃子(はやし)の練習に行っているが、祭りの準備期間が夏休みと重なれば、児童生徒も楽になる。山車づくりに参加する子どもの負担が減ることも期待できる」。強調するのは日程変更のメリットだ。
 学校現場はどのように受け止めているのか。
 「時間に余裕を持って山車制作、お囃子に参加できる生徒は増えるかもしれない」と語るのは、市内の中学校に務める50代の男性教員だ。
 しかし、近年は休み中であっても、部活動や補習で学校に来る生徒が多い。長期休業でも自由に使える時間は少なく、参加者が大幅に増えることには懐疑的だ。中学校で夏休み明けに開催されるケースが多い運動会など、学校側も行事予定の見直しを余儀なくされる可能性もある。
 それでも、男性教員は「伝統を守るためには、子どもが祭りに参加しやすくなる環境を周りの大人がつくるべきだ」と強調する。開催期日の見直しも含め、子どもが祭りに触れる機会を確保する取り組みが必要―との考えを示す。

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