まつり再考:第5部(2)【観 光】従来型から脱却図る(2018/06/04)
デーリー東北

八戸三社大祭 まつり再考
第5部 未来へつなぐ

(2)【観 光】従来型から脱却図る(2018/06/04)

ユネスコの無形文化遺産登録後、初めて開かれた昨年夏の八戸三社大祭。多くの人出があり、にぎわいを見せた=2017年8月4日、八戸市内
 2016年12月に八戸三社大祭を含む全国33件の「山・鉾(ほこ)・屋台行事」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されてから、初めて開かれた昨年夏の三社大祭。「ユネスコ元年」を高らかに掲げる関係者の盛り上がりに比例するように、街は活況を呈した。
 前夜祭から後夜祭までの5日間(7月31日〜8月4日)の入り込み数は、後夜祭が始まった03年以降で最多の102万人を記録。無形文化遺産登録などを祝い、特別に日程を“延長”して8月5日に開いた「記念祭」にも、12万人が足を運んだ。
 注目度の高まりを一過性のものにせず、いかに地域全体の経済効果につなげていくか―。観光関係者は次のステージへ目を向け始めた。
◇   ◇
 「東北の夏祭りを周遊する旅行ツアーのパンフレットを見ると、三社大祭は小さくしか載っていないか、掲載されていないのが現実だ」
 八戸観光コンベンション協会の塚原隆市会長(64)は、祭りを巡るツアーに組み込まれた従来型観光からの脱却を唱える。
 三社大祭が開催される7月末から8月上旬にかけては、「青森ねぶた祭」や「秋田竿灯(かんとう)まつり」など、東北を代表する夏祭りやイベントが集中。大手旅行代理店などが手掛けるツアーは、複数の祭りをメインに周遊する企画が一般的だ。
 三社大祭もその中に含まれ、首都圏など遠方から観光客が訪れるきっかけとなり、地域の魅力をPRする機会にもなってきた。ただ、八戸市内は昼間だけの滞在だったり、圧倒的な集客力を誇るねぶたと比べてツアー数が少なかったりと、効果を享受し切れていない部分もある。
 塚原会長は「八戸独自の魅力を知ってもらい、地に足の着いた観光にする必要がある」と指摘。念頭にあるのは、横丁や朝市など他の観光資源と組み合わせた着地型観光商品の開発や、年間を通じてリピーターを確保する仕掛けだ。
 “ユネスコ効果”もあって、三社大祭の知名度は以前より高まった。首都圏に母体を持つ企業が多く立地する土地柄から、「経済界や商工会議所と連動した、口コミによる誘客も効果がある」(塚原会長)。あの手この手で八戸の魅力向上に努める考えだ。
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 「観客と、祭りの参加者との温度差を埋めていけたら」。市民ガイド八戸協会の瀬川征吉会長(73)は、ボランティアガイドの役割を強調する。
 東北新幹線八戸駅開業を前に、01年に協会を設立。以来、三社大祭の会場で、10人ほどの会員と共に観光客をガイドでもてなしている。近年は特に、台湾などアジアを中心に外国人観光客を見掛ける機会が増えたと実感している。
 神社行列の特徴や歴史、山車の題材など、知ればさらに楽しむことができる解説、そして地域の見どころや穴場スポットの紹介…。課題として挙げた「温度差」を解消するためには、観客に魅力を十分に伝えることが必要だ、と考える。
 桟敷席や沿道に陣取る観客の興味・関心にもっと応えたい―という気持ちは強い。一方で、協会の会員の高齢化が進む現状もある。「山車組が自ら題材や制作への思いを発信する機会があってもいい」。瀬川会長は、関係者が補完し合いながら発信力を強化するよう提案する。

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