まつり再考:第5部(3)【日 程】市民巻き込み議論を(2018/06/05)
デーリー東北

八戸三社大祭 まつり再考
第5部 未来へつなぐ

(3)【日 程】市民巻き込み議論を(2018/06/05)

さまざまな世代が参加する八戸三社大祭のお通り。開催日程を巡り、市民を巻き込んだ議論が求められている=2017年8月1日、八戸市中心街
 開催日程を変えるべきか、否か―。2016年の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録に前後して、ここ数年、八戸三社大祭の関係者が頭を悩ませている問題の一つだ。
 「秋祭りにしてはどうか」「土日を含めた日程にするべきだ」「そもそも変える必要はない」。神事としての伝統、観光振興、山車組と市民の関わり方など、多岐にわたる課題が重層的に関わるだけに、なかなか結論が出ない。
 日程は明治以降、時代に合わせて何度か変更されてきた。「概説 八戸三社大祭」(工藤竹久著)によると、1909年まで8月下旬(旧暦の7月20日から3日間)で、翌年から9月1〜3日に固定された。  三社大祭は五穀豊穣(ほうじょう)を願い、感謝したのが起源。伝統を重視して秋祭りにするよう訴える関係者の論拠は、ここにある。
 日程はその後も変遷をたどり、60年には夏休み中の子どもの参加を容易にするのを主眼に、8月21日からの3日間に。そして82年、観光客が増える東北各地の夏祭りに合わせるように、現行とほぼ同じ8月1〜3日に移行。前夜祭は66年、後夜祭は2003年に加わった。
◇    ◇
 「山車組の規模はそれぞれ異なるが、継続させたいという気持ちは皆同じだ」
 三社大祭運営委員会企画推進部会の中里明光部会長(58)は、山車組の参加者が減少している現状を知る立場から、日程の変更を主張する一人だ。土日を絡めることで、働く世代が当日に参加できる機会が増え、山車組の厳しい状況を少しでも好転させることができると考える。
 台風の影響、参加する子どもの減少、誘客の推進…。日程変更の背景には時々の事情があり、関係者は苦悩しながら解決策を探り、結論を導いてきた。
 ただ、時代ごとの判断とはいえ、その対応には疑問の声もくすぶる。影響が多方面にわたるため、議論が沸く今も日程変更に否定的な意見は根強い。
 さまざまな反応を目の当たりにしてきた中里さん。「何を大切にすべきなのか、考えを出し合うことは重要だ」と議論に向き合う。
 不可欠だと考えるのは「祭りを維持するために参加者の環境をどうつくっていくか」という視点。祭りの在り方そのものに関わるだけに、「関係者だけで結論を出すのではなく、市民一人一人が考えてほしい問題だ」とも訴える。
◇    ◇
 日程の議論を巡り、将来の担い手となる子どもたちの関わり方を重視すべきだという意見もある。
 八戸市連合PTA会長の石橋伸之さん(44)は、学区内に複数の山車組がある市立柏崎小のPTA会長を昨年度まで務め、祭りと地域の深い結び付きを肌で感じてきた。それだけに、「祭りは地域の中で生活していることを実感し、地元への愛着が湧く機会になる」と強調する。
 だが、現状に目を向ければ、部活動や夏休みの過ごし方の変化に伴い、幼い頃から山車組に触れる機会が減っている。当日に参加する子どもがさらに少なくなることへの懸念は強まるばかりだ。
 日程変更の是非と合わせて、学区内の山車組との関係性をどう構築するかも考えるべきではないか―。石橋さんは「山車組と小中学校、PTAや町内会など、子どもや地域、祭りに関わる関係者が集まり、意見を交わす場があってもいいのではないか」と提言する。

PR

  •  47NEWSは47都道府県52新聞社のニュースと共同通信ニュースを束ねた総合サイトです。
  •  全国の1,300を超えるショップと47都道府県の地方新聞社が一緒になって活動をしています。青森の“おすすめ”はこちらから。
  •  家族や友だちといっしょに記事を読み、感想・意見などを書いて記事とともに応募するこのコンクールは、「思考力・判断力・表現力」を重視する学習指導要領の理念も念頭に置いた企画です。。
  •  共同通信PRワイヤーは共同通信グループのプレスリリース配信サービスです。

  •  広告ビジネスに携わる方々に「新聞」と「新聞広告」の特性をご理解いただくことを目的として運営しています。
  •  自分に合った読み方を診断してみよう。きっと新聞の読み方が変わるハズ?

  •  日本で唯一の「ナショナル・プレス・クラブ」です。人々の「知る権利」に資するジャーナリズム活動の拠点です。