まつり再考:第5部(4)【参加の在り方】“入り口”自由な発想で(2018/06/06)
デーリー東北

八戸三社大祭 まつり再考
第5部 未来へつなぐ

(4)【参加の在り方】“入り口”自由な発想で(2018/06/06)

お囃子の練習に取り組む子どもたち。祭り関係者は参加者を確保するため、山車組の枠を超えた情報発信に力を入れる=2017年7月23日、八戸市東白山台
 「祭りに参加したいと言っても“入り口”が分かりにくい面がある。自由な発想で考えてほしい」
 5月25日、デーリー東北新聞社が開いたトーキングカフェ「好きに語(かだ)るべ!八戸三社大祭」で、パネリストの一人として、JXエルエヌジーサービス社長の松田浩二さん(55)が呼び掛けた。
 山車の制作者や引き子など人手不足が深刻化する中、市民や企業、観光客などが参加しようにも、どのような方法があるか分からない―という指摘だ。
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 参加したいという声をすくい上げ、どのように祭りの活力に生かすか。城下附祭山車組に所属し、はちのへ山車振興会副会長を務める宮古角洋さん(46)は、山車組の枠を超えた情報発信によって、少しでも祭りの参加者を増やそうと考える一人だ。
 城下附祭山車組などおがみ神社の「附祭」として参加する山車組関係者らは2016年から、それぞれの山車小屋やお囃子(はやし)の練習場所を紹介した共同のポスターを作製し、広く市民の参加を募っている。ポスターに参加する山車組も初年は4組だったが、17年は全11組が参画した。
 宮古さんが「灯台下暗しだった」と驚いたのは、ポスターを見た地元住民や城下小の子どもたちから、「山車小屋の場所を初めて知った」と言われたことだった。他の山車組でも「地元の山車組の制作場所が町内から離れた場所にあることを知らなかった」「ここで練習していたんだ」などの反応が寄せられ、これまでの山車組側の情報発信と市民の認知度に開きがあることを痛感した。
 ポスターの効果について、宮古さんは「飛躍的に人数が増えたわけではない」としながらも、「山車小屋に一度来てみたかったとか、いずれは参加してみたいといった市民の生の声を聞くことができた」と手応えを強調する。
 各山車組は、地元町内や山車小屋がある地区の運動会に参加したり、小学校でお囃子の出前講座を開いたりと、地域に根差した交流を続けている。そういった草の根活動を維持しつつ、宮古さんは「山車組同士で連携するなど横断的な参加の呼び掛けも行っていきたい」と意気込む。
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 祭りを支える環境に着目し、多様な参加の在り方を考える動きもある。八戸市の「はっち」が16年度から進めるプロジェクト「DASHIJIN(だしじん)」のディレクターを務める吉川由美さん(59)=仙台市在住=は、「本番までに関わる人の全てを含めたものが『祭りの力』だと伝えたい」と語る。
 同プロジェクトはこれまで、全山車組に取材を敢行。制作風景の撮影や、アーティスト、大学生が制作に参加するプログラムなどを展開してきた。
 事業を通じて吉川さんが特に印象に残ったのは、準備から本番まで山車組に関わる人の多さだ。炊き出しに参加する山車組の家族や地域住民、門付けへの町内の協力、山車制作への参加者を快く送り出す地元企業―。山車組の一員として本番に参加する以外にも、支える方法があることを知った。
 今後はプロジェクトの一環として、市内の小中学生に、祭りを支える環境について学んでもらう授業を提案している。吉川さんは「周囲の支える環境がなくなれば、祭りを維持することはできない。いろいろな参加の仕方があることを知ってほしい」と訴える。

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