八戸三社大祭 まつり再考
デーリー東北

八戸三社大祭 まつり再考
第3部 山車小屋の現状

 約300年の歴史を誇り、昨年12月にはユネスコ無形文化遺産に登録された八戸三社大祭。開催日程を巡る議論とともに、山車制作場所の確保が大きな課題となっている。各山車組の制作拠点が失われれば、祭りの継承も困難になりかねないからだ。第3部では、山車小屋の現状を探る。(取材班)

(4)【旧柏崎小跡地】祭り関係者 熱い視線(2017/02/25)

祭り関係者の多くが新たな制作拠点として熱い視線を送る旧柏崎小跡地=9日、八戸市柏崎
 各山車組が山車小屋の確保に苦しむ中、祭り関係者が将来的に新たな制作拠点として期待し、熱い視線を送っているのが旧柏崎小跡地だ。
 跡地利用を巡っては、関係者が2011年度から協議を重ねてきたが、今も結論には至っていない。
 こうした状況を受け、周辺の町内会や山車組、PTAなどで構成する住民団体「旧柏崎小学校跡地の活用を考える会」は14年10月、市に対し、山車制作と展示が可能な団地、祭りのミュージアム施設、都市型公園の三つの機能を求める要望書を提出した。
 15年1月には、山車組関係者で組織する「はちのへ山車振興会」が、考える会と足並みをそろえる形で同様の趣旨の要望書を市に出した経緯がある。
 旧柏崎小の周辺には山車組のある町内が多く存在していることもあり、「跡地をぜひとも制作場所に」という関係者の声は根強い。
◇    ◇
 跡地は中心街に近い“一等地”にあり、住宅も多く立ち並ぶ。制作場所として活用する場合、騒音などの対策をしっかりと講じた上での住民理解が不可欠だ。こうした事情も複雑に絡み合い、跡地利用の議論は進展していない。
 跡地を所管する市教委の教育総務課は、「跡地は立地条件も良い。学校以外に活用するとすれば、市全体としてベストの方法を考える」と慎重姿勢だ。
 一方、跡地で老朽化が進む旧校舎について、市教委は18年度から解体工事に着手する考え。17年度は工事に関する設計を実施する方針だ。
 同課によると、工事に入れば相応の期間がかかるとみられ、期間中に制作場所として使用するのは「工事の規模などを考えると、現状では難しい」という。
◇    ◇
 跡地を制作拠点に―。多くの祭り関係者が期待を寄せているが、実現に向けてはクリアすべき課題がまだまだ多いのが実情だ。
 それでも、4山車組が入居する東部終末処理場がいつまで使用できるか見通しの立たない状況の中、跡地の山車団地化は山車小屋問題を解決する大きな希望となっている。
 「地域の中心的存在だった小学校が移転し、跡地の周辺は寂しくなってしまった」。柏崎新町附祭の森山浩幸代表はこう語り、「柏崎地区の山車組などが集まって山車団地のようになれば、活気を取り戻せるのではないか」と力を込める。
 考える会の類家伸一会長は、「会としては、制作場所として活用したいとの考えで既にまとまっている」と断言する。
 八戸三社大祭がユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されたことを踏まえ、「登録は喜ばしいが、制作場所がなくなれば祭りを伝承できない。安定的に山車作りができる場所をしっかりと確保し、将来的には観光振興にもつなげてはどうか」と思いを語る。
(第3部終わり)

八戸三社大祭 まつり再考 アーカイブ

第1部 開催日程

 約300年前、八戸の先人が豊穣を願って始めた八戸三社大祭。年内に見込まれるユネスコ無形文化遺産の登録をにらんだ動きも相まって、祭り本来の意義や価値を見詰め直す機運が高まっている。本紙連載「まつり再考 八戸三社大祭」の第1部では、秋祭りから夏祭りになった背景や、日程繰り下げを望む声が上がる理由など、開催日程について考える。

第2部 無形文化遺産登録

 八戸三社大祭を含む全国33件の祭りで構成する山・鉾・屋台行事が、ユネスコの無形文化遺産に登録された。これを契機に三社大祭の魅力を見直し、さらなる発展につなげるにはどんな取り組みが必要なのか。第2部では、登録直後の開催となった秩父夜祭をはじめ、全国の祭りの事例も参考にヒントを探る。

第3部 山車小屋の現状

 約300年の歴史を誇り、昨年12月にはユネスコ無形文化遺産に登録された八戸三社大祭。開催日程を巡る議論とともに、山車制作場所の確保が大きな課題となっている。各山車組の制作拠点が失われれば、祭りの継承も困難になりかねないからだ。第3部では、山車小屋の現状を探る。

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