八戸三社大祭:蕪嶋神社、熊本地震… 復興願う山車多数(2016/08/01)

蕪嶋神社、熊本地震… 復興願う山車多数(2016/08/01)

蕪嶋神社再建への願いがこもった糠塚附祭組(手前)と吹上山車組(奥)の山車=31日午後6時45分ごろ、八戸市十三日町
 いよいよ幕を開けた八戸三社大祭。31日の前夜祭では、各山車組が趣向を凝らして制作した全27台が、中心街で一堂に会した。今年は、昨年11月に社殿を全焼した蕪嶋神社や、熊本、大分両県に甚大な被害を及ぼした熊本地震を思いやり、「復興」祈願をテーマにした山車が多数出陣した。
 糠塚附祭組は「八戸市民の想(ねが)い」と題して、七福神が船に乗り、蕪嶋神社の社殿を建てに行くシーンを表現した。正面から見て中央には、ウミネコに乗った本地弁財天が飾られ、カンナやノコギリなどの大工道具を持った神々が囲んだ。
 発案したのは制作責任者の田守敏貴さん(40)。蕪嶋神社への募金活動が市内各地で展開されていることから、市民が一体となって再建に向かっていると感じ、テーマに決めた。「山車を見て、一日も早い再建を願う市民の思いを感じ取ってほしい」と期待を寄せた。
 吹上山車組は、焼失前の蕪嶋神社を再現し、きらびやかに飾り付けた。山車のあちらこちらに100羽以上のウミネコを飛ばし、蕪島らしさを表現。両脇には、市立吹上小の5年生約50人が再建へのメッセージを書いた短冊を、見えやすい高さに取り付けた。
 同校の木村心夢(ここあ)さん(10)は「早く復興し、みんなが笑顔になりますように」と短冊に願いを込めた。
 東日本大震災で、各地から励ましの声が八戸に寄せられたことへの感謝から、熊本地震被災地の復興を願う山車も登場した。
 十一日町龍組の山車は、ナマズが地震を起こすという俗説から、江戸時代に出回った「鯰(なまず)絵(え)」がモチーフ。歌舞伎十八番の一つ「暫(しばらく)」になぞらえて、正義の味方≠フ主人公「鎌倉権五郎景政」が、悪役の「鯰坊主」と「大鯰」を要石で押さえつける場面を表した。
 制作責任者の石橋元平さん(34)は「東日本大震災では、遠方からもエールが届いた。熊本への恩返しの思いと、『各地で大地震が起きないように』との願いも込めた」と話した。
 下大工町附祭の題材は、熊本県の象徴である熊本城を築いた加藤清正の虎退治。虎11頭を配置し、清正が大虎を退治する様子を迫力いっぱいに表現した。
 制作責任者の佐藤彰さん(59)は「応援の気持ちが熊本まで届けばうれしい」と力を込めた。